書籍名 |
内科セミナーLG3 肝硬変・肝がん |
出版社 |
永井書店
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発行日 |
1983-11-01 |
著者 |
- 織田敏次(編集)
- 阿部裕(編集)
- 中川昌一(編集)
- 滝島任(編集)
- 堀内淑彦(編集)
- 鎮目和夫(編集)
- 古川俊之(編集)
- 祖父江逸郎(編集)
- 内野治人(編集)
- 尾前照雄(編集)
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ISBN |
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ページ数 |
299 |
版刷巻号 |
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分野 |
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シリーズ |
内科セミナー
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閲覧制限 |
未契約 |
内科学の急速な進歩・発展は、細分化と専門化をもたらし、近年、ますますその度を深めております。それに伴い、臨床家に要求される知識の量は急増の一途をたどっており、質的にも知識のlife cycleはますます短縮し、日々新しい医学へと脱皮しているのが現状であります。このことは、専門外の知識・情報について疎遠になりがちなspecialistや、最新の情報を吸収しきれないgeneralistの増加という情況をうみ出しております。内科セミナーは、このような認識のもとに企画された内科治療全書であり、up to dateな知識・情報を、迅速に、かつ総合的に提供して、今日の要求に応えようとするものであります。
目次
- 表紙
- 執筆者
- 目次
- 1. 肝硬変および肝がんの疫学 最近のわが国における発生状況とその発生要因について
- §1. 疫学的アプローチの意義と問題点 - 特に実態把握の困難性について
- §2. 最近のわが国における発生, まん延の状況とその発生要因
- I. 死亡統計, 特に人口動態死因統計についての検討
- 1. 年次推移
- 2. 地域分布
- 3. 性および年齢分布
- 4. 職業別分布
- 5. 配偶関係別分布
- II. 全国疫学調査成績についての検討
- 1. 慢性肝炎, 肝硬変および原発性肝癌の推定有病数
- 2. 2, 3の成因との関連性および疫学的特性
- 1) HBs抗原陽性率の推移と性別, 年齢層別比較
- 2) HBV感染マーカーの有無による分類と各群の疫学的特性の比較
- 3) 2, 3の疫学的特性のB型, 非B型別比較
- 4) 飲酒との関連
- 文献
- 2. 肝硬変の病態
- §1. 形態の変化 (微細構造を含む)
- I. 肝硬変症の概念
- II. 日本における肝硬変の成因に関する考え方の変遷
- III. 肝硬変症の定義
- IV. 肝硬変症の肉眼的形態
- V. 肝硬変症の組織像
- VI. 肝炎から肝硬変への形態学的変化
- VII. アルコール性肝傷害から肝硬変への進展
- VIII. その他の肝硬変の形態発生
- IX. 肝硬変の分類
- X. 肝硬変症の微細構造
- §2. 機能の変化 ; 診断
- I. 肝硬変の病態
- 1. 代謝系の変化
- 1) 蛋白・アミノ酸代謝の変化
- 2) 糖質代謝の変化
- 3) 脂質代謝の変化
- 4) ホルモン代謝の変化
- 5) 水・電解質代謝の変化
- 2. 血液学的変化
- 3. 免疫学的変化
- 1) 液性免疫の異常
- 2) 細胞性免疫の異常
- 3) 慢性肝疾患の成立と免疫異常
- 4. 肝硬変と他臓器の変化
- 5. 肝硬変の肝再生
- 6. 肝硬変と代謝性疾患
- 1) ウイルソン病
- 2) ヘモクロマトージス
- 3) α1 - アンチトリプシン欠損症
- 4) ガラクトース血症
- 5) 糖原病IV型, Anderson病
- II. 肝硬変の診断
- 1. 臨床症状
- 2. 検査成績
- 1) 血液学的検査
- 2) 生化学的検査
- 3) 特殊検査
- 文献
- 3. 病態と治療
- §1. 門脈圧亢進症
- I. 門脈圧亢進症の定義
- II. 基礎的事項
- 1. 形態学
- 2. 肝機能
- 3. 肝循環
- 1) 門脈圧
- 2) 肝血流量
- 3) 門脈循環時間
- 4) 門脈床の血液容量
- 5) 門脈血の酸素飽和度
- 6) 肝静脈圧
- III. 主要症状と成り立ち
- 1. 食道胃静瘤と門脈副血行路
- 2 脾腫と貧血
- 3. 腹水と低蛋白血症
- 4. その他
- 1) 肝性脳症
- 2) 肝炎
- 3) 肝癌
- 4) クモ状血管腫
- IV. 診断法
- 1. 一般的診断法
- 2. 特殊検査法
- 1) 食道胃静瘤の観察
- 2) 肝静脈カテーテル法
- 3) 門脈撮影法
- 4) 門脈圧測定法
- 5) その他
- V. 病型分類
- VI. 病型別特徴
- 1. 肝外門脈閉塞症
- 2. 肝内門脈閉塞症
- 3. 肝内肝静脈閉塞症
- 4. 肝外肝静脈閉塞症
- VII. 治療法
- 1. 対症療法
- 2. 手術療法
- 1) 血管吻合手術
- 2) 静脈瘤直達手術
- 3) その他の対症手術
- 3. 手術療法の成績
- VIII. 手術の適応決定
- 文献
- §2. 腹水
- I. 腹水の発生機序
- 1. 一次性因子
- 1) 血漿膠質浸透圧と門脈圧亢進
- 2) 肝内外の血行およびリンパ管の異常
- 2. 二次性因子
- 1) GFR
- 2) アルドステロン
- 3) ADH
- 4) 等3因子
- 5) VDM
- 6) エストロゲン
- 3. Overflow Theory
- 4. 癌性腹水
- II. 腹水の治療
- 1. 腹水治療の基方針
- 1) 安静
- 2) 食事
- 3) Na制限及び水分制限
- 2. 利尿剤
- 1) スピロノラクトン
- 2) トリアムテレン
- 3) アミロライド
- 4) サイアザイド剤
- 5) フロセミド
- 6) エタクリン酸
- 7) ブメタニド
- 8) グルココルチコイド
- 9) 浸透圧剰尿剤
- 3. 腹水穿刺
- 4. 自己腹水濃縮再静注法
- 5. 腹膜・内頸静脈シャント
- 6. 外科的治療法
- おわりに
- 文献
- §3. 肝性昏睡
- はじめに
- I. 分類
- II. 肝性昏睡発生機序
- 1. アンモニア
- 2. アミノ酸, アミン, 偽性神経伝達物質
- 3. メルカプタン
- 4. 低級脂酸
- 5. エシドトキシン
- 6. アミン
- III. 診断
- IV. 脳の病理所見
- V. 肝性昏睡の誘因と治療
- 1. 一般療法
- 1) タンパク制限とカロリー補給
- 2) 感染対策
- 3) 浣腸
- 4) 電解質管理
- 5) 低酸素状態の改善
- 6) 鎮静剤投与の制限
- 2. 消化管出血の対策
- 3. アンモニア対策
- 1) 抗生物質
- 2) Lactulose
- 3) 乳酸菌製剤
- 4) ウレアーゼ阻害剤
- 4. L-DOPAとMetaraminol療法
- 5. 副腎皮質ホルモン
- 6. ヘパリン
- 7. 特殊組成アミノ酸製剤
- 8. 人工肝補助装置
- 9. その他の治療法
- VI. 予後
- 文献
- 4. 肝硬変の外科治療について
- I. 肝硬変症に対する手術適応限界の判定
- 1. Lindenmuthの分類
- 2. Childの基準
- 3. 井口の分類
- 4. Indocyanine greenの最大除去率
- 5. 耐糖能及びチトクロームa (+a3) 量
- II. 肝硬変合併肝癌に対する外科的治療
- 1. 肝切除術
- 1) 肝区域 - Cantlie線
- 2) 肝切除法の種類
- 3) 硬変合併肝癌の切除成績
- 4) 肝切除の条件と肝切除後の機能変化
- 2. 肝血流遮断手術
- III. 門脈圧亢進症に対する外科的治療
- 1. 食道静脈瘤
- 2. 腹水に対する外科的治療
- 1) 門脈下大静脈吻合
- 2) 腹腔 - 頸静脈シャント
- IV. 胆汁性肝硬変に対する外科的治療
- V. 術後管理
- 1. 腸内アンモニア抑制
- 2. カロリー源としてのglucoseの利用
- 3. 新鮮血漿又は血清アルブミンの大量投与
- 4. insulinの投与
- 5. 抗癌剤
- 6. エンドトキシン
- 文献
- 5. 肝癌診断法の進歩
- §1. 血液生化学的検査法
- I. アルカリ・フォスファターゼ
- II. トランスアミナーゼ
- III. パラネオプラスチック・シンドローム
- IV. 癌・胎児蛋白
- 1. α - フェトプロテイン
- 1) α - フェトプロテインの測定法
- 2) 疾患とα - フェトプロテイン
- 2. カルチノ・エンブリオニック・アンティジェン
- 3. 癌胎児性アイソザイム
- 4. その他
- §2. 画像診断法
- I. 通常のレ線学的診断法
- 1. 単純レ線写真による検索
- 2. 造影剤による消化管, 胆道その他の検索
- II. 血管撮影法
- III. コンピューター断層
- IV. 肝シンチグラム
- V. 超音波診断
- VI. 腹腔鏡, 肝生検
- 文献
- 6. 肝がんの治療とその評価
- §1. 化学療法
- I. 肝がんの治療一般
- II. 肝がんの治療成績の判定
- III. 肝がんの化学療法剤の投与方法
- IV. 肝がん化学療法の適応症
- V. 外科切除との併用
- VI. 制がん剤の投与量と期間の関係
- 1. 制がん剤の種類
- 2. 制がん剤の作用機作
- 3. 制がん剤の使用量
- 4. 制がん剤による治療効果
- VII. 免疫治療
- §2. 外科治療
- I. ヘバトーム剖検例からの知見
- II. 切除療法
- 1. 切除可能性の評価
- 1) 全身状態と理学的所見
- 2) 肝障害の評価
- 3) ヘパトームの局在
- 4) 肝硬変症の併存
- 5) 切除許容量
- 2. 手術前準備
- 3. 手術手技と副損傷
- 4. 入院中の死亡および合併症
- 5. 肝切除後の経過
- 6. 再生肥大
- 7. 切除標本の病理
- 8. 遠隔成績
- III. 進行癌に対する治療
- 1. 動脈を介した治療
- 2. 門脈を介した治療
- 3. 肝移植
- おわりに
- 文献
- 索引
- 奥付