書籍名 |
内科セミナーLG2 薬剤・アルコールによる肝障害 |
出版社 |
永井書店
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発行日 |
1981-08-01 |
著者 |
- 織田敏次(編集)
- 阿部裕(編集)
- 中川昌一(編集)
- 滝島任(編集)
- 堀内淑彦(編集)
- 鎮目和夫(編集)
- 古川俊之(編集)
- 祖父江逸郎(編集)
- 内野治人(編集)
- 尾前照雄(編集)
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ISBN |
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ページ数 |
231 |
版刷巻号 |
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分野 |
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シリーズ |
内科セミナー
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閲覧制限 |
未契約 |
内科学の急速な進歩・発展は、細分化と専門化をもたらし、近年、ますますその度を深めております。それに伴い、臨床家に要求される知識の量は急増の一途をたどっており、質的にも知識のlife cycleはますます短縮し、日々新しい医学へと脱皮しているのが現状であります。このことは、専門外の知識・情報について疎遠になりがちなspecialistや、最新の情報を吸収しきれないgeneralistの増加という情況をうみ出しております。内科セミナーは、このような認識のもとに企画された内科治療全書であり、up to dateな知識・情報を、迅速に、かつ総合的に提供して、今日の要求に応えようとするものであります。
目次
- 表紙
- 執筆者
- 目次
- 1. 肝障害の病理・生化学
- §1. 肝解毒機転とその変動
- I. 肝の解毒機構
- 1. 滑面小胞体における薬物の酸化
- 2. 抱合解毒
- 3. その他の解毒機構
- 4. 胆汁排泄
- 5. Kupffer細胞と解毒
- II. 肝解毒機構の変動
- 1. 性差, 年齢差, 種属差, 個人差
- 2. 食事, ホルモン, 薬物による変動
- 3. 肝障害時の解毒機能
- §2. 薬物と肝障害
- I. 薬物性肝障害の分類
- II. 肝毒性物質の肝障害機序
- 1. 脂肪変性の発症機序
- 2. 肝細胞壊死の発症機序
- 3. 胆汁うっ滞の機序
- III. 宿主の特異体質による肝障害の発症機序
- 1. 過敏反応による肝障害
- 2. 代謝異常による肝障害
- §3. 肝毒性を有する物質
- I. 抗結核薬
- II. 抗生物質
- 1. テトラサイクリン
- 2. エリスロマイシンエストレート
- 3. ノボビオシン
- 4. ペニシリン系, セファロスポリン系抗生物質
- III. ステロイド系ホルモン
- IV. 抗甲状腺薬, 抗糖尿病薬
- V. 精神神経系薬物
- 1. モノアミン酸化酵素阻害薬
- 2. フェノチアジン系薬物
- 3. 三環抗うっ薬とマイナートランキライザー
- 4. 抗てんかん薬
- VI. 解熱, 鎮痛薬
- VII. 循環器系薬物
- VIII. ハローセン
- 文献
- 2. 薬物性肝障害
- §1. 今日の問題点
- はじめに
- I. 薬物性肝障害の発生機構
- II. 最近注目される薬物性肝障害
- 1. 経口避妊薬による肝障害
- 2. 塩化ビニールによる肝障害
- 3. INH, rifampicinによる肝障害
- 4. Methyl dopaによる肝障害
- 5. Halothaneによる肝障害
- 6. Ajmalineによる肝障害
- 7. Pyrithioxine Hclによる肝障害
- 8. Acetaminophen
- §2. 診断のよりどころ
- I. 薬物性肝障害の診断
- 1. 従来の診断根拠
- 2. 新しい診断根拠
- 3. 薬物アレルギー性肝炎の診断基準
- 1) 薬物服用期間と発症
- 2) 初発症状
- 3) 末梢血液像
- 4) 薬物感受性試験
- 5) 再投与試験
- 4. 薬物アレルギー性肝炎の診断
- II. リンパ球培養試験
- 1. 原理
- 2. リンパ球幼若化試験
- 1) リンパ球浮遊液の調製
- 2) 3H-thymidine, 3H-uridineの取込みによる測定
- 3) 形態学的に観察する方法
- 4) 微量全血培養法
- 3. マクロファージ遊走阻止試験
- III. 診断をめぐる諸問題
- 1. 頻度の高い医薬品の分類
- 2. 肝内胆汁うっ滞
- 3. 病理組織学的分類
- 4. 中毒性肝障害の組織像
- 1) 急性脂肪肝
- 2) 蓄積型
- 3) 腫瘍形成型
- 4) その他
- 5. リンパ球培養試験陰性の考え方
- 6. hapten-carrier(肝蛋白)を用いる特異的診断法
- 7. 薬物性肝障害診断における肝機能検査値の境界線
- 文献
- §3. 症状よりみた薬物性肝障害
- はじめに
- I. 臨床症状
- II. 検査成績
- 1. 一般検査成績
- 2. 肝機能検査成績
- 1) トランスアミナーゼ
- 2) アルカリフォスファターゼ(ALP)
- 3) 総ビリルビン
- 4) ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP), γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)
- 5) ラクテックデヒドロゲナーゼ(LDH)
- 6) 総コレステロール
- 7) 膠質反応
- 3. 免疫学的検査成績
- おわりに
- 文献
- §4. 治療とアフターケア
- はじめに
- I. 予後に関与する因子の解析
- 1. 予後
- 1) 性と年齢
- 2) 基礎疾患
- 3) 薬剤投与期間
- 4) 肝機能検査成績
- 2. 遷延例の解析
- 3. 重症例の解析
- 4. 慢性化例の解析
- II. 予後に関する免疫学的考察
- III. 治療
- おわりに
- 文献
- 3. アルコール性肝障害
- §1. 日本におけるアルコール性肝障害・肝硬変の現状-外国との比較
- I. アルコールと肝疾患
- 1. アルコールと肝との関係
- 2. 大酒家と肝硬変との関係
- 3. アルコール摂取量と肝硬変発生との関係-アルコール性肝硬変の発生に対する危険飲酒量の算定
- 4. 飲酒様式およびアルコール性飲料の種類と肝硬変発生との関係
- 5. 飲酒時の摂取たんぱく量と肝硬変との関係-アルコール性肝硬変の成因をめぐる論争
- II. わが国のアルコール性肝疾患
- 1. わが国の年次別酒類消費量の変遷
- 2. 最近のわが国におけるアルコール性肝疾患の実態
- 1) 肝疾患入院症例の中のアルコール常習者の頻度
- 2) アルコール性肝疾患の頻度
- 3) アルコール性肝硬変の頻度
- 4) アルコール性肝疾患の内訳
- まとめ
- 文献
- §2. 診断
- I. 飲酒量と肝障害
- II. 常習飲酒家の診断
- III. アルコール性肝障害の病型
- IV. アルコール性脂肪肝の診断
- V. アルコール性肝炎の診断
- 1. アルコール性肝炎の概念とその意義
- 2. アルコール性肝炎の臨床病理学的特徴
- 3. アルコール性肝炎の病理組織所見
- 4. 鑑別診断
- VI. アルコール性肝線維症の診断
- 1. アルコール性肝線維症の概念とその意義
- 2. アルコール性肝線維症の臨床病理学的特徴
- 3. 鑑別診断
- VII. アルコール性肝炎(臨床的)
- VIII. 大酒家慢性肝炎
- 1. 大酒家慢性肝炎の概念とその意義
- 2. 大酒家慢性肝炎の臨床病理学的特徴
- IX. アルコール性肝硬変の診断
- 1. アルコール性肝硬変の臨床的特徴
- 2. アルコール性肝硬変の病理形態学的所見
- むすび
- 文献
- §3. アルコール代謝と肝線維化
- I. Collagenの代謝
- 1. Collagenの生合成
- 2. Collagenの分解
- II. 肝線維化の場
- III. アルコールと肝線維化
- IV. アルコール代謝と肝線維化
- V. アルコール肝の酸素消費と線維化
- VI. 本邦のアルコール性肝障害の実態
- 文献
- §4. 実験的アルコール性肝障害
- はじめに
- I. 実験モデルにおいて目指す肝病変の種類
- II. 急性アルコール投与法による脂肪肝の作成
- III. 慢性アルコール投与による肝病変の作成
- 1. アルコール含有水を飲料水として与える方法
- 2. 強制胃内投与法
- 3. アルコール含有液体飼料による慢性投与法
- 4. 霊長類(ヒヒ)を実験動物として使用した慢性アルコール液体飼料投与実験
- IV. 小動物実験モデルによるアルコール性肝炎, 肝硬変作製の試み
- 1. 慢性アルコール投与時の食餌成分の違いの肝に与える影響
- 2. 慢性アルコール投与時の低酸素状態の肝に与える影響
- 3. アルコール脱水素酵素(ADH)阻害剤
- 4. アルコール硝子体作製の試み
- V. アルコールに対する感受性の種差による検討
- おわりに
- 文献
- §5. 治療とアフターケア
- I. 第I期治療としての肝障害の治療
- 1. アルコール性脂肪肝
- 2. アルコール性肝炎
- 3. アルコール性肝硬変症
- 1) 副腎皮質ステロイド療法
- 2) ペニシラミン療法
- 3) コルヒチン療法
- 4) 蛋白同化ホルモン剤
- 4. 慢性アルコール中毒者にみられる急性離脱症候群の治療
- II. 第II期治療としてのアフターケアについて
- 文献
- 索引
- 奥付