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書籍詳細

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書籍名 歴史の中のろうあ者
出版社 近代出版
発行日 1998-01-14
著者
  • 伊藤政雄(著)
ISBN 4874026370
ページ数 259
版刷巻号 第4刷
分野
閲覧制限 未契約

これまでの研究成果をふまえ、歴史の中で聾唖者がどう位置づけられ、どう扱われてきたのか、私たちの先輩たちが厳しい環境の中でどう努力し生きてきたのか、それらを明らかにするなかで、本書が、私たちの世代、そして次の世代の人たちが現在を考え、未来を切り開いていくための架け橋になれば幸いです。(はしがきより)

目次

  • 表紙
  • はしがき
  • 目次
  • はじめに―聾唖の歴史を見る目
    • 障害者の歴史を綴った書物
    • 留意したい点
    • 社会の一員だった聾唖者
    • 聾唖者からの視点
    • 手厚く埋葬された障害者
    • 弱者遺棄の始まり
    • 聖書に見る障害者
    • 西欧のユートピア思想にみる障害者観
  • 奈良・平安の社会とろうあ者
    P.17閲覧
    • 神話と伝説の時代
      • ヒルコ―文献上の最初の障害者
      • ヒルコ伝説
      • 弁財天の他は障害者の七福神
      • 日本最初の唖者の登場
    • 奈良時代―律令の世界
      • 古代の弱者救済の思想―天譴論
      • 天譴論にもとづく災害救済策
      • 奈良時代にもあった障害者特別措置
      • 障害者の調査記録
      • 聾唖者の暮らし
      • 流民化する人々
    • 仏教と障害者
      • 法華経と因果応報
      • 仏教本来の障害者観
      • 福祉施設―布施屋
    • 平安時代―国風文化と説話の世界
      • けがれの思想
      • 差別意識の広がり
      • 『源氏物語』の「常夏の巻」
      • 平安末期の社会
      • 『今昔物語』の中の聾唖者
      • 盲の琵琶法師
      • 厳しい環境下での生活
      • 『新猿楽記』の中の差別・偏見
    • ハンセン病差別の系譜
      • 奈良時代に始まる差別
      • 叡尊と忍性による救済事業
  • 鎌倉・室町の社会とろうあ者
    P.57閲覧
    • 武士の台頭と戦乱の時代
      • 新しい仏教の隆盛
      • 一遍上人と聖絵
      • 雑業に従事する人々
      • 下克上の時代
      • 狂言の中の聾唖者
      • ポルトガル語の中の障害者
    • 聾唖に関する医療の歴史的流れ
      • 古代の病気・障害観
      • 人面書土器の風習
      • 大陸の医療・医薬情報の流入
      • 日本最古の和薬の書『大同類聚方』
      • 中国医書の集大成『医心方』
      • その他の文献に見る聾唖
      • 治聾酒
      • にせ薬を売る人々
      • 風疹の流行
  • 江戸の社会とろうあ者
    P.89閲覧
    • 近世の障害者の暮らし
      • 家制度と身分社会
      • 障害者の生業
      • 農村の聾唖者
      • 障害者に対する救済例
      • 間引き
      • 聾唖者の生きる道
      • 乞食の系譜
      • 『和漢三才図会』
      • 江戸時代の障害者観
      • 『因果物語』
      • 盲目の学者・塙保己一
      • 天明の大飢饉
      • 天保の大飢饉
      • 障害者に関する記録
    • 江戸時代の聾唖者たち
      • 聴障の俳人・杉山杉風
      • 聾絵師・堤等琳
      • 聾の名陶工・青木木米
      • 聾唖の女性・お梶
    • 障害者数とその種類
      • 江戸時代初期の障害者数
      • 障害者の種類
      • 江戸時代中期〜後期の聾唖者数
      • 幕末〜明治初期の障害者数
    • 聾唖教育の黎明
      • 盲聾唖児への日本最初の教育試み
      • 浄瑠璃の中の聾唖の女性
      • 寺子屋
      • 寺子屋に聾唖児も入っていた
      • 聾唖児教育の実例
  • 近代のあけぼのとろうあ者
    P.139閲覧
    • 海外情報の流入と近代の鼓動
      • 中国の書物の中のヨーロッパ
      • 貧院・幼院を伝えた『紅毛雑話』
      • 『おろしや国酔夢譚』
      • ヨーロッパの教育情報
      • 海外の社会事情を紹介した地理書『坤輿図識』
      • 『坤輿図識』に記されたヨーロッパの聾唖学校
      • ヨーロッパ聾唖教育の動向
      • ペリー来航前にアメリカの情報を得ていた幕府
    • 時代を拓いた吉田松陰
      • 密航計画の失敗
      • 海外渡航の意図
      • 聾唖の弟・杉敏三郎
      • 敏三郎の思い出
      • 兄弟の別れ
      • もう一つの惜しまれる死
      • 松陰と山尾庸三
    • 幕末の偉大な2人の聾者
      • 盲聾の儒者・谷三山
        • 失聴と独学
        • 私塾の開設
        • 松陰との出会い
      • 聾唖の学僧・宇都宮黙霖
        • 不遇な幼児期
        • 失聴と出家
        • 勤王僧として
        • 黙霖と松陰の書簡往信
        • 倒幕論をめぐって
    • 開国と海外渡航
      • 遣米使節―アメリカの聾唖者との出会い
      • 文久遣欧使節
  • 明治初めの社会とろうあ者
    P.189閲覧
    • 近代の幕開け
      • 福沢諭吉と聾唖学校
      • 新島嚢のアメリカ口話教育視察
      • 維新直後の貧窮民対策
    • 使節団の見た欧米の教育施設
      • 明治政府による欧米使節団
      • アメリカの聾唖学校視察
      • パリ聾唖学校訪問
      • ロシアの聾唖学校
    • ミラノ国際聾唖教育会議―手話法を排し、口話法を採用
      • 手話・口話論争
      • ミラノ会議開催の経緯
      • ミラノ国際会議の内幕
      • 当時の各国新聞で過大評価された宣言
    • 近代聾唖教育のはじまり
      • 学制の公布
    • 盲唖学校設立に貢献した山尾庸三
      • 聾唖者との出会い
      • 盲唖学校設立建白書
      • 塙次郎暗殺事件
      • イギリス留学
      • 留学時の回顧談
    • 古河太四郎と京都盲唖院
      • 日本最初の盲唖教育施設
      • 京都盲唖院の設立
    • 楽善会訓盲院
      • 楽善会の結成
      • 訓盲院設立までの経緯
      • 楽善会訓盲院の開校
  • 参考文献
    P.235閲覧
  • あとがき
    P.239閲覧
  • 奥付

参考文献

参考文献

P.235 掲載の参考文献

  • 『日本思想大系』 1(古事記)、 3(律令)、 54(吉田松陰)、 55(渡辺華山他)、 66(西洋見聞集) 岩波書店
  • 『新日本古典文学大系』 21(源氏物語)、 30(日本霊異記)、 58(狂言記) 岩波書店
  • 『日本古典文学大系』 2(風土記) 岩波書店
  • 『日本古典文学全集』 21、 22(今昔物語集) 小学館
  • 『総合日本戯曲事典』 平凡社
  • 『恵比寿信仰』 北見俊夫編 雄山閣出版
  • 『律令国家と賤民』 神野清一著 吉川弘文館
  • 『中世の罪と罰』 網野善彦他著 東京大学出版会
  • 『ケガレの構造』 波平恵美子著 青土社
  • 『歴史の中の癩者』 藤野豊著 ゆみる出版
  • 『中世民衆の生活文化』 横井清著 東京大学出版会
  • 『救済の思想』 松尾剛次著 角川書店
  • 『叡尊・忍性』 和島芳男著 吉川弘文館
  • 『日本の聖と賤(中世篇)』 野間宏、 沖浦和光著 人文書院
  • 『日本の聖と賤(近世篇)』 野間宏、 沖浦和光著 人文書院
  • 『絵巻物に見る日本庶民生活誌』 宮本常一著 中央公論社
  • 『災害と日本人』 廣井脩著 時事通信社
  • 『飢饉日本史』 中島陽一郎著 雄山閣出版
  • 『和漢三才図会 2』(東洋文庫451) 平凡社
  • 『「孤独」と「放置」の精神史』 生瀬克己著 千書房
  • 『江戸時代の被差別民衆』 久保井規夫著 明石書店
  • 『近世地方経済史料』(全10巻) 小野武夫編 吉川弘文館
  • 『藩法集』(全12巻) 藩法研究会編 創文社
  • 『大日本近世史料』(全5巻) 東京大学史料編纂所編 東京大学出版会
  • 『ペルリ提督日本遠征記』 ホータス編 岩波書店
  • 『遣米使日記』 村垣淡路守範正著 文学社
  • 『万延元年遣米使節史料集成』(全7巻) 風間書房
  • 『万延元年訪米日記』 佐野鼎著 金沢文化協会
  • 『特命全権大使 米欧回覧実記』(全5巻) 久米邦武編、 田中彰校注 岩波書店
  • 『吉田松陰』 河上徹太郎著 中央公論社
  • 『吉田松陰と松下村塾』 海原徹著 ミネルヴァ書房
  • 『吉田松陰書簡集』 広瀬豊編 岩波書店
  • 『宇都宮黙霖百年特別展図録』 宇都宮黙霖研究会 ユニックス
  • 『黙霖物語』 大尾博敏著 宇都宮黙霖研究会
  • 『鳩翁道話』(東洋文庫154) 平凡社
  • 『邦訳日葡辞典』 土屋忠生他編訳 岩波書店
  • 『福沢諭吉全集』(全21巻) 第1巻、 第7巻、 第19巻 岩波書店
  • 『近世漢方医学書集成』22、 23(内科秘録)、 87(方輿ゲイ) 大塚敬節、 矢数道明編 名著出版
  • 『医心方』(全7巻) 現代思潮社
  • 『医心方』 丹波康頼撰、 槇佐知子訳 筑摩書房
  • 『全訳詳解大同類聚方』 槇佐知子訳 平凡社
  • 『病気日本史』 中島陽一郎著 雄山閣出版
  • 『医学の歴史』 小川鼎三著 中央公論社
  • 『病気の社会史』 立川昭二著 NHK出版
  • 『近世障害者関係史料集成』 生瀬克己編 明石書店
  • 『近世日本の障害者と民衆』 生瀬克己著 三一書房
  • 『日本の障害者』 河野勝行著 ミネルヴァ書房
  • 『障害者』 後藤安彦著 貝原浩絵 現代書館
  • 『日本盲人史』 中山太郎著 昭和書房
  • 『日本盲人社会史研究』 加藤康昭著 未來社
  • 『日本聾唖秘史』 伊藤蕣一著 教育研究会
  • 『日本の障害者・今は昔』 花田春兆著 こずえ
  • 『日本残酷物語1』 宮本常一、 山本周五郎、 楫西光速監修 平凡社
  • 『逆光の中の障害者たち』 後藤安彦著 千書房
  • 『障害原論』 高野哲夫著 ミネルヴァ書房
  • 『聾唖年鑑』 藤本敏文編 1935年
  • 『わが国特殊教育の成立』 中野善達、 加藤康昭著 東峰書房
  • 『近代盲聾教育の成立と発展 古河太四郎の生涯から』 岡本稲丸著 NHK出版
  • 『聾教育百年のあゆみ』 (財)聴覚障害者教育福祉協会
  • 『京都府盲聾教育百年史』 盲聾教育開学百周年記念事業 実行委員会
  • 『愛知県立豊橋聾学校八十年史』 愛知県立豊橋聾学校
  • 『東京教育大学附属聾学校の教育-その百年の歴史』 東京教育大学附属聾学校
  • 『世界教育史大系』 33(障害児教育史) 梅根悟監修 講談社
  • 『聾教育学精説』 川本宇之介著 信楽会
  • 『日本庶民教育史』(上・中・下) 乙竹岩造著 目黒書店
  • 『日本障害児教育史』 荒川勇、 中野善達、 大井清吉著 福村出版
  • 『東京の特殊教育』 都政資料館 昭和十二年
  • 『障害者教育史』 津曲裕次他編著 川島書店
  • 『特殊教育百年史』 文部省 東洋館出版社
  • 『人物でつづる障害者教育史』(日本編) 精神薄弱問題史研究会編 日本文化科学社
  • 『ド・レペの生涯』 ベザギュ=ドゥリュイ著 伊藤政雄監修、 赤津政之訳 近代出版
  • 『みんなが手話で話した島』 ノーラ・E・グロース著 佐野正信訳 築地書館