書籍名 |
がんへの挑戦 免疫細胞療法 |
出版社 |
永井書店
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発行日 |
2011-03-01 |
著者 |
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ISBN |
9784815918774 |
ページ数 |
139 |
版刷巻号 |
第1版 |
分野 |
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閲覧制限 |
未契約 |
2人に1人ががんにかかり,3人に1人ががんで死を迎え,今後日本は高齢化に伴い年間50万人以上の方ががんで亡くなる時代を迎えようとしている.本書は,このような時代に,がん治療に長年挑み続け,がん医療の最前線を歩んできた著者の,がんの脅威に立ち向かう挑戦状であり,そしてその最大の武器となった免疫細胞療法の解説書である.
第1部には,現在の免疫細胞療法を取り巻くさまざまな問題点を,第2部では「免疫細胞療法の実際」として著者が35年間取り組んできた免疫療法の変遷と,現在のリンパ節を用いた肺がんの治療に至る過程を述べる.
百聞は一見に如かず.難解と思われがちな免疫細胞療法を目で見て感じて理解してもらえるように,ふんだんに図表を取り入れて解説.実際には想像していたよりもはるかに簡単でわかりやすいことを実感してもらえるはずである.
がんの免疫に興味のある方,これから実際に免疫療法に取り組みたいと考えている若い研究者には是非一読していただきたい良書である.
目次
- 表紙
- 巻頭言
- はじめに
- 目次
- 第1部 免疫細胞療法とは
- 1. 増え続けているがん
- 2. 免疫細胞の種類
- 3. がんの免疫療法
- コーヒーブレイク ◆2. NK細胞
- コーヒーブレイク ◆3. NKT細胞
- 1・免疫細胞療法の特徴
- コーヒーブレイク ◆4. 特異的と非特異的
- 4. 特異的免疫応答
- 5. 樹状細胞ワクチン療法
- 6. CTL療法
- 1・αβT細胞療法
- 2・腫瘍細胞の認識機構
- 3・γδT細胞療法
- コーヒーブレイク ◆5. γδT細胞
- 7. がん免疫細胞療法の課題
- 8. 自由診療と先進医療
- 9. 再生医療における制度的枠組みの問題点
- 第2部 免疫細胞療法の実際
- 1. エピソード
- 2. 免疫療法との出会い
- 3. アメリカでの研究の始まり
- 1・モロニーMSV誘発腫瘍について
- 2・担がん12日目の脾臓細胞の免疫への関与
- 3・担がんマウス腫瘍所属リンパ節
- 4・抗T cell抗体 (Ty1.2) とILの効果
- コーヒーブレイク ◆6. 腫瘍免疫の基本概念とMHC抗原
- 4. 帰国後の転機 IL-2の登場
- 5. 肺がん所属リンパ節の役割と機能
- 6. 千葉県がんセンターでの新たな試み
- 7. リンパ節の培養方法
- コーヒーブレイク ◆9. CD4陽性ヘルパー細胞
- コーヒーブレイク ◆10. CD8陽性細胞傷害性T細胞 (Cytotoxic T Lymphocyte)
- コーヒーブレイク ◆11. HLA抗原
- 8. 肺がんの診断と治療
- 9. 術後肺がんの免疫化学療法
- 10. 術後免疫化学療法のプロトコール
- 11. 免疫療法の実際
- 12. 副作用
- 13. 細胞の投与方法
- 14. 術後成績について
- 15. 細胞数と予後との関係
- 16. 再発とその後の治療
- 1・腫瘍マーカーの上昇した症例
- 2・肺内転移再発例
- 3・脳転移再発例
- 4・がん性腹膜炎の症例
- 5・気管内転移例
- 6・分子標的治療との併用例
- 17. 腫瘍による免疫抑制機構
- 1・がんと免疫の相互関係
- 2・免疫抑制メカニズム
- 3・まとめ
- 18. 免疫細胞療法の効果判定
- 19. これからの免疫療法の方向性
- 1・多様性 (heterogeneous) のあるeffecter cellや抗体
- 2・免疫抑制シグナル、制御性細胞 (regulatory cell) の抑制
- 3・化学療法、放射線療法、手術療法との併用
- 4・分子標的治療との併用
- 5・まとめ
- おわりに
- 索引
- 奥付