書籍名 |
発達障害への看護アプローチ |
出版社 |
精神看護出版
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発行日 |
2011-02-25 |
著者 |
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ISBN |
9784862940391 |
ページ数 |
214 |
版刷巻号 |
第1版第1刷 |
分野 |
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閲覧制限 |
未契約 |
広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害),注意欠陥多動性障害(ADHD),また,被虐待や解離性障害,摂食障害,場面緘黙など発達障害を基盤にもった事例とともに,具体的な看護の実際を紹介。
精神科では統合失調症だと誤診されている場合が多い発達障害。障害,二次障害,その人の生きづらさを理解,適切なケアを提供することで改善につながります!
目次
- 表紙
- まえがき
- もくじ
- 第1章 発達障害とは何か
- 知っておかなければならない基礎知識
- 発達障害の新しいパラダイム
- 発達障害の臨床像
- 看護における基本的な接し方
- 発達障害と併存症
- 第2章 発達障害をもつ人の世界を知る
- I. 幼児期
- 言葉の遅れ 言葉の発達が遅い男の子の事例から
- 集団の中ではトラブルやパニックが
- 言葉以外のコミュニケーションや視覚支援で
- II. 小児期
- 不登校, 集団不適応
- 授業中, パニックになって逃げ出し, 不登校になった女の子の事例から
- ストレスがたまって, ある日, 突然
- がまんが暴言・暴力, PTSDに
- 治療で安心感をもたらす
- 行為障害, 愛着障害
- ささいなことでけんかし, 自宅でも大暴れする男の子の事例から
- 行為障害, 愛着障害の診断を受けて
- 入院治療で落ち着いてきた
- 行為障害, 愛着障害とは
- 摂食障害, 身体症状化 心理的負荷やこだわりによって生じた事例から
- 一般的な摂食障害との違い
- ケース1 ―友人関係などの困りごとから食欲不振に
- ケース2 ―ジョギングの日課へのこだわり
- 具体的な見通しを
- III. 思春期
- 不潔恐怖, 強迫, 巻き込み行為
- 清潔不潔に関するこだわりに母親を巻き込んだ女の子の事例から
- ささいな汚れを気にして
- 巻き込みは危険信号
- 強迫症状と似た部分がある
- ひきこもり, 二次的抑うつ
- 毎朝の頭痛・腹痛と学校での疎外感を訴え, 不登校が続いた女の子の事例から
- クラスでの疎外感から身体化症状に
- 「想像性」の乏しさと叱責から被害的な思考へ
- 成功体験の積み重ねを
- IV. 成人期
- 職場での不適応
- 仕事が合わず, うつ状態からひきこもりになった青年の事例から
- 仕事が長続きしない
- 3つの苦手さを周囲に理解されない
- 適度な支援が必要
- 夫婦, 子育ての問題
- 広汎性発達障害の親の事例から
- 発達障害をもつ親はさまざま
- ケース1 ―繰り返し伝えることで
- ケース2 ―子どもと適切な関わりをもてない
- 配慮すべき点
- 第3章 発達障害への看護アプローチの原則と実際
- 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の看護
- アスペルガー障害の事例から
- はじめに
- 事例紹介
- 受診から入院まで
- 入院治療の開始-戸惑いを受けとめながら
- 「問題」点の整理をする-誰にとって「問題」なのか
- 目標設定から退院前の看護の実際
- 子どもと家族が何に困っているかを尊重する
- 注意欠陥多動性障害(ADHD), 行為障害の看護
- 周囲とのトラブル, 離席, 暴力などを改善した事例から
- はじめに
- 看護アプローチとしての原則
- ADHDの看護の実際
- 行動化を伴った事例から
- 被虐待と解離性障害の看護 広汎性発達障害が基盤にある事例から
- 子ども虐待は第4の発達障害
- 自尊心を高め, 行動コントロール力を育てるアプローチ
- 性的虐待のあった子どもと家族へのアプローチ
- おわりに
- 二次障害としての摂食障害の看護
- 広汎性発達障害が基盤にある事例から
- はじめに
- 摂食障害と発達障害について
- 治療について
- 看護の実際
- 入院治療における看護のポイント
- おわりに
- 場面緘黙の看護
- 広汎性発達障害が基盤にある事例から
- 緘黙とは
- 場面緘黙の診断, 特徴, 治療
- ケース1 ―限定された場所で会話ができるように
- ケース2 ―自然に笑顔が出るようになった
- ケース3 ―学校と共通理解をはかりながら
- ケースから学ぶこと
- 支援のポイント
- コラム 司法面接技法
- 第4章 成人の発達障害へのアプローチ
- 成人への対応も, 基本は小児への対応と同じ
- 発達障害と気づかれないことが多い
- 精神科病院で出会う事例から
- 難しい事例から学んだこと
- 発達障害をもつ人のグループ活動
- 第5章 家族への支援
- はじめに
- 家族看護とは
- 支援の実際・その1 ―家族内の相互理解をはかる
- 支援の実際・その2 ―家族外部の調整と家族内の意見調整
- 継続的支援のシステム化
- おわりに
- 第6章 発達障害と薬物療法
- 併存障害や二次障害への薬物療法
- どんなときに薬物療法を考える?
- 薬物療法において気をつけること
- 第7章 当事者・家族の立場から
- 発達障害者, そして発達障害者の親として
- 人間関係に悩まされつづけて
- 執筆者一覧
- 奥付
参考文献
第1章 発達障害とは何か
P.34 掲載の参考文献
-
3) Marcus, G.:The birth of the mind. Basic Books, Cambridge, 2004. (大隈典子訳:心を生みだす遺伝子. 岩波書店, 2005.)
-
4) 佐々木裕之:エピジェネティクス入門. 岩波書店, 2005.
-
5) Tanguay PE, Russell AT:Mental rtardation. In Lewis M ed. Child and adolescent pyshiatry:a comprehensive textbook, p.508-516, Williams & Wilkins, Baltimore, 1991.
-
6) 杉山登志郎, 小倉正義, 岡南:ギフテッド. 学研, 2009.
-
8) Fitzgerald, M:The Genesis Of Artistic Creativity:Asperger's Syndrome And The Arts. Jessica Kingsley Pub, London. 2005. (石坂好樹訳:アスペルガー症候群の天才たち-自閉症と創造性. 星和書店, 2008.)
-
9) James, I:Asperger's Syndrome And High Achievement:Some Very Remarkable People, Jessica Kingsley Pub, London, 2006. (草薙ゆり訳:アスペルガーの偉人たち. スペクトラム出版, 2007.)
-
10) 杉山登志郎:Asperger症候群の周辺. 児童青年精神医学とその近接領域, 49(3), p.243-258, 2008.
-
11) 適正診断・治療を追求する有志たち編:精神科セカンドオピニオン2. シーニュ, 2010.
-
12) 杉山登志郎:子ども虐待という第四の発達書害. 学研, 2007.
-
13) 杉山登志郎:高機能広汎性発達障害と子ども虐待. 日本小児科学会雑誌, 111, p.839-846, 2007.
-
14) 衣笠隆幸, 池田正国, 世木田組, 谷山純子, 菅川明子:重ね着症候群とスキゾイドパーソナリティ症候群. 精神神経学雑誌, 109(1), p.36-44, 2007.
-
15) 杉山登志郎:成人の発達障害. そだちの科学13, p.2-13. 2009.
-
18) Herman, JL:Trauma and Recovery, Basic Books, New York, 1992. (中井久夫訳:心的外傷と回復. みすず書房, 1999.)
-
20) Brotman MA, Schmajuk M, Rich BA, Dickstein DP, Guyer AE, Costello EJ, Egger HL, Angold A, Pine DS, Leibenluft E.:Prevalence, clinical correlates, and longitudinal course of severe mood dysregulation in children. Biolar Psychiatry. 60(9), p.991-997, 2006.
第3章 発達障害への看護アプローチの原則と実際
P.80 掲載の参考文献
-
2) Institute for Patient-and Family-Centered Care (http://www.ipfcc.org/faq.html)
-
3) 杉山登志郎:ライフサイクルと発達課題. 臨床心理学, 7(3), p.355-360, 2007.
-
4) 鳥居深雪:脳からわかる発達障害-子どもたちの「生きづらさ」を理解するために. 保健同人社, 2009.
-
5) 東誠ほか:アスペルガー障害の治療と援助-学童期から思春期. 臨床精神医学, 36(5), p.577-582, 2007.
-
6) 村瀬嘉代子ほか:発達障害という現実を対象化しないことの重要性とインフォームドコンセント. 現代のエスプリ, 476, p.115-122, 2007.
P.95 掲載の参考文献
-
1) アリソン・マンデン, ジョン・アーセラス (市川宏伸, 佐藤泰三監訳):ADHD注意欠陥・多動性障害-親と専門家のためのガイドブック. 東京書籍, 2000.
-
2) 杉山登志郎編著:アスペルガー症候群と高機能自閉症の理解とサポート. 学習研究社, 2002.
P.114 掲載の参考文献
-
1) 海野千畝子:心と体の安全学習が大切. 実践障害児教育, 415, p.28-32. 2008.
-
2) Resource and lesson guide「Personal Safety for Grades k-3 Primary program 1982」c.a.r.e (カナダ赤十字 http://www.redcross.ca/article.asp?id=001383&tid=001)
-
3) 杉山登志郎:子ども虐待という第四の発達障害. p.126, 学習研究社. 2007.
-
4) ヘネシー澄子:子を愛せない母・母を拒否する子. 学習研究社. 2004.
-
5) 東誠, 浅井朋子:アスペルガー障害の治療と援助-学童期から思春期. 臨床精神医学, 36(5), 2007.
P.131 掲載の参考文献
-
1) 東誠:小児の摂食障害. 山口徹, 北原光夫, 福井次矢総編集:今日の治療指針. p.1048-1049, 医学書院, 2009.
-
2) 杉山登志郎編著:講座 子どもの心療科. p.120-147, 講談社, 2009.
-
3) 坂田三允総編集:精神看護エクスペール12 こどもの精神看護. p.149-155, 中山書店, 2008.
-
4) 古荘純一:発達障害の理解とかかわり方のポイント-「生きづらさ」を解消するために. 精神科看護, 37(2), p.12-18, 2010.
-
5) 田中康雄:支援から共生への道-発達障害の臨床から日常の連携へ. 慶応義塾大学出版, 2009.
-
6) マイケル・ラター, エリック・テイラー編, 長尾圭造, 宮本信也監訳:児童青年期精神医学. p.1047-1050, 647-660. 明石書店, 2007.
P.133 掲載の参考文献
-
1) 仲真紀子:子どもの記憶-子どもの証言と司法面接. 子どもの虹研修センター紀要, 8, p.39-55, 2010
P.148 掲載の参考文献
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1) 山村淳一, 杉山登志郎:場面緘黙. チャイルドヘルス, 13(3), p.43-44, 2010. 3.
-
2) かんもくネット著, 角田圭子編:場面緘黙Q&A-幼稚園や学校でおしゃべりできない子どもたち. 学苑社, 2008.
第4章 成人の発達障害へのアプローチ
P.167 掲載の参考文献
-
1) 日本精神科看護技術協会監修:実践精神科看護テキスト15 児童・思春期精神看護. 精神看護出版, 2008.
-
2) 日本精神科看護技術協会監修:実践精神科看護テキスト2 対人関係 グループアプローチ. p.29-30, 精神看護出版, 2007.
-
3) 杉山登志郎:発達障害の子どもたち. p.181, 講談社現代新書, 2007.
-
4) 適正診断・治療を追求する有志たち:精神科セカンドオピニオン2. p.54, シーニュ, 2010.
-
5) 栗田育子:大人の病棟にもいる「隠れ発達障害」-「発達障害」だと考えると, こういうアプローチのほうが有効だ. 精神看護, 11(2), p.18-29, 2008.
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6) 鵜飼秀明:発達障害のある成人への看護-診断名が変われば, 看護も, 患者も変わる. 精神科看護, 37(2), p.29-34, 2010.
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7) ニキ・リンコ×藤家寛子:自閉っ子, こういう風にできてます!. 花風社, 2004.
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8) 泉流星:地球生まれの異星人. 花風社, 2003.
第5章 家族への支援
P.182 掲載の参考文献
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1) 小林奈美:グループワークで学ぶ家族看護論-カルガリー式家族看護モデル実践へのファーストステップ. 医歯薬出版, 2006.
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2) 鈴木和子, 渡辺裕子:家族看護学-理論と実践 第2版. 日本看護協会出版会, 1999.
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3) 森山美和子編:ファミリーナーシングプラクティス-家族看護の理論と実践. 医学書院, 2001.
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4) 野嶋佐由美監修:家族エンパワーメントをもたらす看護実践. へるす出版, 2005.