書籍名 |
増補 放射線被曝の歴史 アメリカ原爆開発から福島原発事故まで |
出版社 |
明石書店
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発行日 |
2011-10-20 |
著者 |
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ISBN |
9784750334820 |
ページ数 |
335 |
版刷巻号 |
初版第3刷 |
分野 |
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閲覧制限 |
未契約 |
放射線被曝防護の基準はどのようにつくられてきたのか――。著者は、米国で発掘した膨大な資料を読み解き、「防護基準は核・原子力開発のために被曝を強制する側がそれを強制される側に、被曝はやむをえないもので、我慢して受忍すべきものと思わせるために、科学的な装いをこらしてつくった社会的基準」と喝破する。1991年に刊行された旧版に、福島原発事故の評価を加えて待望の復刊。
目次
- 表紙
- 目次
- 1 放射線被害の歴史から未来への教訓を-序にかえて-
- 2 アメリカの原爆開発と放射線被曝問題
- 全米放射線防護委員会の誕生
- マンハッタン計画の放射線科学者
- 戦前の被曝基準と放射線被害
- 3 国際放射線防護委員会の誕生と許容線量の哲学
- ICRPの生みの親
- 許容線量の誕生
- アメリカの核開発と許容線量
- ICRP一九五〇年勧告
- 4 放射線による遺伝的影響への不安
- 原爆傷害調査委員会(ABCC)の設立
- ABCCによる遺伝的影響研究
- 倍加線量と公衆の許容線量
- 5 原子力発電の推進とビキニの死の灰の影響
- 原子力発電でのアメリカの巻き返し
- ビキニの死の灰の影響
- BEAR委員会の登場
- 許容線量の引き下げ
- ICRP一九五八年勧告
- 国連科学委員会
- 6 放射線によるガン・白血病の危険性をめぐって
- 微量放射線の危険性への不安の広がり
- 死の灰によるミルクの汚染
- ガン・白血病の「しきい線量」
- 広島・長崎での放射線障害の過小評価
- 7 核実験反対運動の高まりとリスク-ベネフィット論
- 核実験反対運動の高まり
- リスク-ベネフィット論の誕生
- 一九六〇年の連邦審議会報告とBEAR報告
- ICRP一九六五年勧告
- 8 反原発運動の高まりと経済性優先のリスク論の"進化"
- 反原発運動の高揚
- 科学者による許容線量批判の高まり
- 原発推進策の行きづまり
- 放射線被曝の金勘定とコスト-ベネフィット論
- BEIR-1報告
- ICRPによるコスト-ベネフィット論の導入
- 生命の金勘定
- 原子力産業は他産業よりも安全
- ICRP一九七七年勧告
- 9 広島・長崎の原爆線量見直しの秘密
- 原爆線量見直しの真の発端
- マンキューソによるハンフォード核施設労働者の調査
- 絶対的とされたT65D線量の再検討へ
- 軍事機密漏らしの高等戦術
- BEIR-3報告をめぐる争い
- 日米合同ワークショップによるDS86の確定
- 10 チェルノブイリ事故とICRP新勧告
- ICRP勧告改訂の背景
- 新勧告につながるパリ声明
- チェルノブイリ事故と一般人の被曝限度
- 新勧告とりまとめまでの経過
- アメリカの放射線防護委員会と原子力産業の対応
- 国連科学委員会報告
- BEIR-5報告
- 線量大幅引き下げのカラクリ
- 新勧告の最大のまやかし
- 11 被曝の被害の歴史から学ぶべき教訓は何か
- 時代の変化とともに広がる被曝の被害
- 防護基準による被害への対応の歴史
- 現在の被曝問題の特徴
- 日本における被曝問題の最近の特徴
- 食品の放射能汚染
- 12 おわりに
- 1 フクシマ事故の特徴と労働者・住民の大量被曝
- 2 一〇〇ミリシーベルト以下の被曝も危険
- 3 フクシマの汚染・被曝対策とICRP
- 4 放射線被曝との闘いから脱原発へ
- 5 フクシマが示すもの
- 旧版 あとがきにかえて
- 増補版 あとがき
- 文献
- 奥付