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書籍詳細

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書籍名 図説 放射線学入門 基礎から学ぶ緊急被曝ガイド (電子版)
出版社 医療科学社
発行日 2012-02-10
著者
  • 岡崎龍史(著)
ISBN 9784860030100
ページ数 125
版刷巻号 第一版第1刷(電子版)
分野
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福島原発事故で起こりうる放射線影響の手引き。放射線を正しく理解するのは,難しい。物理学にはじまり,化学や生物学などの用語や単位が用いられるからだ。したがって,放射線学はそうした長年の研究や疫学から,産業,医療での効能,危険の目安までも含めて,数多くのデータが積み重ねられてきた科学である。本書は緊急被曝ガイドとして,一般市民向けに放射線の基礎と原発事故での放射線の影響をわかりやすく図説する。

目次

  • 表紙
  • はじめに
  • 目次
  • 1 放射線の基礎
    • a 放射線とは
      • 放射線の正体
      • 放射性物質
      • 放射線と放射性物質の遠距離到達の違い
    • b 放射線の単位と線量率
      • b)-1 放射線の単位
        • 放射線の単位
        • cpm (count per minute)
        • 低LET放射線と高LET放射線
        • 単位の接頭語
        • 放射性物質を火に例えると
        • 放射性物質をうんちに例えると
        • 人体中の放射性物質の放射能
        • 農作物の放射性物質汚染
        • 水や食物中に存在する放射性物質の実効線量係数
        • 空気中に存在する放射性物質の実効線量係数
        • 半減期
      • b)-2 線量率
        • 放射線をお酒に例えると
        • 実際の放射線治療における腫瘍細胞と正常細胞の分割照射による生存率の差
        • 福島原発周辺の空間線量率
    • c 放射線の人体影響
      • 放射線の人体影響
      • c)-1 確定的影響
        • しきい値 (しきい線量) について
      • c)-2 確率的影響
      • c)-3 放射線障害・治療
        • 確定的影響 (組織反応)
        • 線量と人体影響の関係 (X線やγ線被曝の場合)
        • 皮膚の急性障害
        • 確率的影響
        • 各組織・臓器の致死がんの名目確率係数 (ICRP2007年勧告)
        • 放射線被曝と次世代への影響
        • 原爆被爆者における死産
        • 生後2週間以内に診断された奇形
        • 原爆被爆者の子供における安定型染色体異常
        • 急性放射線被曝の局所および全身症状
        • 全身被曝による急性影響の症状と被曝線量との関係
        • 全身被曝による急性影響の臨床症状と死亡率
        • 全身被曝による急性放射線症候群の症状 (ICRP Publ. 28)
        • 原発事故時の放射性ヨウ素131 (131I)による甲状腺がんからの予防
        • 100mg のヨウ化カリウムを投与したときのヨウ素131 (131I)の摂取防止率
    • d 放射線防護 (外部被曝、内部被曝)
      • d)-1 外部被曝防護の3原則 (DSTの法則)
        • 放射線 (散乱線)の影響
        • 遮へい体
        • 放射線の種類と被曝
      • d)-2 内部被曝および表面汚染の防護
        • 放射性物質の影響
        • 非密封線源に関する内部被曝の5原則
  • 2 日常でみられる放射線被曝
    P.57閲覧
    • 日常でみられる放射線被曝線量
    • バナナと被曝
    • a 医療被曝
      • X線検査当たりの実効線量 (全身被曝線量)
      • 核医学検査および治療における全身被曝量
    • b 高自然放射線地域
      • 世界の高自然放射線地域における大地放射線量
    • c 宇宙飛行士の被曝
      • 宇宙飛行士の生涯実効線量制限値
    • d 法令で定められている労働者の線量限度
      • d)-1 放射線業務従事者の線量限度
      • d)-2 緊急時被曝線量限度
      • b)-3 放射線管理区域等での線量限度
  • 3 福島第一原発事故の概要
    P.67閲覧
    • a 放出された放射性物質
      • 原発爆発で想定されていた当初の放射性物質の放出量
      • 原子炉内から放出された放射性物質の減衰率
      • 文部科学省および米国DOE による航空機モニタリングの結果
      • 予測されていた人口分布と風向き
      • 核分裂生成物
      • 福島2号機で再臨界?
      • 未臨界と臨界
      • 福島第一原発から北側15km離れた海底の土1kg当たりからの放射性ヨウ素、セシウム
      • 環境測定と健康被害
      • ヨウ素131とセシウム137
      • プルトニウム239
      • ストロンチウム90
      • 横浜でストロンチウム90検出
      • 環境における人工放射能50年 : 90Srと137Csの降下量
    • b チェルノブイリ原発事故との比較
      • チェルノブイリ原発周辺の空間線量
      • 福島原発周辺の空間線量
      • チェルノブイリと福島原発事故の違い
      • チェルノブイリ原発で急性放射線症で入院した人の被曝結果
      • チェルノブイリ事故と健康被害予測
      • チェルノブイリ事故による死亡者数の推定
      • チェルノブイリ原発事故後の妊婦堕胎例
      • チェルノブイリ原発周辺のセシウム137汚染マップと福島原発300km圏
      • 1989年春頃チェルノブイリ周辺のセシウム137汚染地図
      • 日本のセシウム134、137の地表面沈着量
    • c 福島での被曝
      • 文部科学省の福島県教育委員会等に対する通知
      • 放射線から人を守る国際基準 国際放射線防護委員会 (ICRP)の防護体系
      • 平成23年3月12日からの福島県内における空間線量の推移
      • 平成23年3月12日から1年間の積算放射線量
      • 福島のセシウム134、137の内部被曝について
      • 日本人成人男子群のセシウム137体内量の推移
      • 日本人中学生尿のセシウム137の濃度の推移 (1959〜1964年)
      • 福島とチェルノブイリの子供の尿中セシウム137 (137Cs)の比較
  • 4 リスク
    P.99閲覧
    • 放射線のリスクの程度
    • 喫煙による相対リスク
    • 喫煙による年間死亡者数 (2008年)
    • 各種リスクによるアメリカの年間死亡統計
    • 10万人当たり死亡に至るリスク
    • 食品の放射性ヨウ素暫定基準値
    • 教訓
    • 直線しきい値なし仮説とリスク
    • 放射線とがんのリスクについて
  • 5 マウスを用いた実験結果と疫学研究
    P.109閲覧
    • γ線を400日間連続照射した後の寿命や死因を調べたマウス実験
    • 妊娠マウスの各時期に2GyのX線を照射したときにみられる胎児への影響
    • ヒトの疫学的研究およびマウスの実験的研究に基づいて得られたヒト胎児の放射線障害推定線量
    • 重度精神遅滞発生割合と子宮吸収線量の関係
    • 放射線によるDNA損傷と修復
  • 6 まとめ
    P.115閲覧
  • あとがき
    P.120閲覧
  • 奥付