書籍名 |
肛門外科の臨床 改訂第2版 |
出版社 |
永井書店
|
発行日 |
1970-08-20 |
著者 |
|
ISBN |
|
ページ数 |
332 |
版刷巻号 |
改訂第2版第3刷 |
分野 |
|
閲覧制限 |
未契約 |
本書がはじめて世に出てから、既に4年の歳月がたつ、この間、本書に刺激されてか、多少とも肛門外科に対する外科医の認識が改められたのは誠に喜ぶべきことと思っている。(「改訂第2版序」より)
目次
- 表紙
- 改訂第2版序
- 序
- 序
- まえがき
- 目次
- 第1章 解剖生理
- I 肛門の発生
- II 歯状線の上と下との相違
- A. 上皮
- 1) 直腸癌と肛門癌
- 2) 直腸ポリープおよび肛門ポリープ
- B. 神経
- C. 脈管
- III 歯状線の下方
- A. 肛門移行皮膚
- B. 肛門周囲皮膚
- C. 肛門移行皮膚と肛門周囲皮膚との相違
- D. 肛門下縁
- E. 括約筋間溝と連合縦走筋線維
- 1) 肛門移行皮膚の支持機構
- 2) その支持機構の破壊
- 3) 麻酔による肛門の変位
- 4) 括約筋間溝は肉眼的存在ではない - Hilton氏白線は実存しない -
- IV 歯状線の上方
- A. 直腸柱および直腸洞
- B. Herrmann氏線
- C. 終末直腸および終末直腸粘膜
- V 肛門の定義
- (イ) 肛門の定義の不統一は解剖学術語の混乱の要因をなす
- 1) 歯状線Herrmann氏線と肛門直腸線
- 2) 直腸柱, 直腸洞と肛門柱, 肛門洞
- 3) 終末直腸, 終末直腸粘膜とMorgagni氏帯, 肛門粘膜
- 4) 肛門粘膜なる名称は最悪の術語である
- (ロ) 終末直腸を肛門に含めることは不合理である
- (ハ) 終末直腸を肛門に含めると, 区別されるべき疾患が区別されなくなる
- (ニ) 終末直腸を肛門に含めることにより解剖学術語の混乱を来たす
- (ホ) 終末直腸を肛門に含めて扱うことは説明に不便である
- (ヘ) 終末直腸を肛門に含める根拠は薄弱である
- (ト) Anorectumなる語について
- (チ) 肛門の定義としてはA) をとるべきである
- VI 歯状線付近
- A. 肛門小窩
- B. 肛門弁
- C. 肛門腺
- D. 肛門乳頭
- E. 櫛部
- F. 歯状線付近の上皮
- VII 歯状線の生理的意義
- A. 神経支配
- B. 排便機構
- C. 排便感の発生
- D. Trigger Zoneの破壊 - 排便感の発生の阻害
- E. 異常排便感の発生
- VIII 肛門括約筋
- A. Minor's or Brick's Triangle
- B. 肛門支持機構
- C. 肛門長軸と直腸下半部長軸のなす角度
- D. 肛門〜終末直腸後壁の突出
- E. 肛門潰瘍の発生部位, 痔瘻〜肛直膿瘍の原発部位との関係
- IX 肛門括約筋と疼痛
- X 体位および呼吸による肛門括約筋の変化
- XI 肛門〜終末直腸の解剖学術語の統一
- A. 同一術語が2〜3種類のまったく異った意味で用いられることがある
- B. 肉眼的に存在しないものであるにも拘らず線と呼称されることがある
- C. 終末直腸を肛門に含める定義にしたがって命名された術語は好ましくない
- D. 肛門〜終末直腸の解剖学術語は多く同義語をもつ
- E. ある種の術語はより広汎な意味で用いられている
- 第2章 肛門診察法
- I 問診
- A. 現症に関する問診
- 1) 疼痛
- 2) 出血と疼痛
- 3) 脱出性〜脱出病巣
- 4) 異常排便感およびそれに類する訴え
- 5) 膿汁の排出
- 6) 痒感
- B. 病歴に関する問診
- C. 排便に関する問診
- D. その他問診に役立つ事項
- 1) いわゆる子供の肛門疾患
- 2) 肛門疾患と性別
- 3) 妊娠, 出産と肛門疾患
- 4) 各種肛門疾患の好発部位
- II 肛門診察に際しての体位
- A. 肛門診察の種々の体位
- B. 肛門診察に適当な体位
- C. 充分な照明
- D. 肛門診察室
- III 視診
- IV 触診〜内指診
- A. 触診
- B. 内指診 (内指診の重要性)
- 1) 挿入法
- 2) Anorectumの内指診
- 3) 肛門括約筋のTonus
- 4) Anorectum周囲組織の双指診
- 5) 直腸内指診
- a) 糞塊の有無 - 直腸型便秘
- b) 肛直膿瘍〜痔瘻
- c) 直腸腫瘤
- C. 触診および内指診の技術差
- D. 消息子の濫用
- V 鏡診
- A. 肛門鏡
- B. 肛門鏡診
- C. その結果を過信するな
- VI その他
- 第3章 CryptitisとPapillitis
- 第4章 痔核およびいわゆる脱肛
- I 原因
- A. 人間の直立生活
- B. 静脈の特性
- C. 硬便の排出
- D. 肛門に圧力の掛る体位
- E. 妊娠
- F. 病的因子
- II 痔核の分類
- III 外痔核
- IV 内痔核
- A. 内痔核の進展分類
- B. 内痔核の数および発生部位
- C. 各期内痔核の混在
- D. いわゆる脱肛への進展
- E. 痔核嵌頓〜脱肛嵌頓
- F. 脱出性〜脱出内痔核およびいわゆる脱肛に伴うその他の症状
- V 痔出血による貧血
- VI 治療
- 第5章 いわゆる脱肛と直腸脱
- I Extrinsic prolapseとIntrinsic prolapse
- A. Extrinsic prolapse
- B. Intrinsic prolapse
- II 肛門の定義と脱肛なる名称
- III 直腸脱と脱肛との合併
- IV いわゆる脱肛に続発する直腸脱
- V 直腸脱の分類
- (Tuttleの分類)
- (Buieの分類)
- (Baconの分類)
- VI 直腸脱の原因
- VII 年令と直腸脱
- VIII 直腸脱と異常排便感
- IX 直腸脱の症状
- X 直腸脱の診断
- A. 視診
- (Incomplete prolapseの視診上の特色)
- (Complete prolapseの視診上の特色)
- B. 触診
- C. 鏡診
- XI 直腸脱の治療
- A. 保存療法
- B. 手術療法
- 1) Incomplete prolapseに対する手術
- 2) Complete prolapseに対する手術
- 3) 経腹的直腸固定術に対する批判
- 4) 局所手術について
- 第6章 肛門裂創と肛門潰瘍
- I 肛門裂創
- II 肛門潰瘍
- A. 発生部位
- B. 肛門潰瘍のTrias
- C. 症状
- D. 発生〜成因
- E. 治療
- 第7章 肛直膿瘍および痔瘻
- I 肛直膿瘍および痔瘻の発生
- A. Anal cryptおよびAnal glandの炎症発生
- B. 肛直膿瘍の形成
- C. 肛直膿瘍の分類
- D. 肛直膿瘍の定義および同義語
- E. 肛直膿瘍より痔瘻への発展
- F. 複雑痔瘻の形成
- G. その他の肛直膿瘍および痔瘻
- II 痔瘻内孔および外孔なる不合理な名称
- III 不合理な痔瘻の分類
- IV 不合理な瘻管検索法
- A. 瘻管および瘻孔の閉塞および閉鎖
- B. 消息子の濫用
- C. 触指診
- D. 触指診の技術差
- E. その他の瘻管検索法に対する批判
- V 痔瘻は結核ではない
- A. 結核性痔瘻の診断
- 1) 臨床診断
- 2) 病理組織検査
- 3) 細菌学的検査法
- B. 痔瘻の何%が結核性であるか?
- C. 肛直膿瘍〜痔瘻の起炎菌
- D. マントウ反応陰性者の痔瘻
- E. 往時の痔瘻
- F. 原発性および続発性結核性痔瘻
- G. 痔瘻が結核であればその手術創は治りにくいか?
- H. 特異性炎と非特異性炎
- I. 結核性痔瘻の治療方針
- 1) 肺結核患者の痔瘻の治療方針
- 2) 痔瘻が術後の病理組織検査により結核性と診断された場合
- J. まとめ
- VI 痔瘻根治手術失敗の原因
- VII その他の肛直膿瘍および瘻管
- A. 重ねて肛直膿瘍の発生について
- (i) 肛直膿瘍の発生に際しての細菌侵入門戸
- (ii) 肛直膿瘍の発生
- (iii) 瘻管形成
- B. 肛門瘻, 痔瘻および直腸瘻の定義
- (Fistula - 瘻管 - なる名称について)
- (i) 肛直周囲組織に存在する瘻管
- (ii) 肛直周囲組織に存在するも肛直腔と連絡のない瘻管
- (iii) 肛門瘻の定義および直腸瘻の定義
- (iv) 痔瘻および肛門瘻なる名称について
- (v) 痔瘻の定義
- (vi) 余の提唱する "肛直周囲組織に存在する瘻管" の分類
- VIII 乳児痔瘻
- IX 痔瘻と肛門癌
- 付1) Anal infectionの概念
- 付2) 各種肛門疾患の混在
- 第8章 肛門保存療法
- I 理想的な排便 - 保存療法の原則 -
- A. 理想的な排便
- B. 最悪の排便
- 1) 内痔核
- 2) 外痔核
- 3) 肛門裂創〜肛門潰瘍
- 4) 肛直膿瘍〜痔瘻
- 5) 直腸脱
- C. その他の排便
- D. 排便と習慣
- 1) 排便時間と習慣 - 異常排便感に関聯して
- 2) 排便回数と習慣
- E. 排便と環境
- F. 排便時間
- G. 排便に際しての体位
- H. 体位と肛門疾患
- I. 理想的な排便をうるための方策
- 1) 患者の協力
- 2) 糞便軟化法
- a) 食餌による糞便の軟化 - 下剤がその効果を充分に発揮するための前提条件
- i) 充分なる水分の経口的摂取
- ii) 植物線維の摂取
- iii) 食餌は制限しないこと
- b) 下剤による糞便の軟化
- 3) 排便促進法
- J. 肛門保存療法の原則
- 付) いわゆるひえと肛門疾患の増悪
- II 肛門保存療法の限界
- III 坐薬を批判して
- A. 坐薬の分類
- B. 坐薬の局所効果のおよぶ範囲
- C. いわゆる肛門坐薬の組成
- 1) 表面麻酔剤を坐薬として用いることは無意味である
- 2) 消炎剤を坐薬として用いることは殆ど無意味である
- 3) 坐薬として用いられる副腎皮質ホルモンの検討
- 4) 制腐制菌剤〜抗生物質を坐薬として用いることは無意味である
- 5) 坐薬の止血作用は甚だ疑わしい
- 6) 坐薬に含まれる滑剤の意義
- D. いわゆる肛門坐薬の効果は甚だ疑わしい
- 第9章 肛門掻痒症
- I 痒感の起こりうる範囲
- II 糞便による皮膚の汚染
- III 肛門の汚染
- IV 肛門の汚染の持続する原因 - いわゆるAnal pathologyの存在
- 1) 肛門の疾患に伴う肛門の変形
- 2) 肛門の手術変形
- 3) 病巣自体よりの分泌液
- V 肛門の汚染防止法
- 1) Anal pathologyの除去
- 2) 肛門衛生 Anal Hygiene
- VI Iching Scratch Cycle
- VII 肛門掻痒症の分類
- VIII 全身的疾患に随伴する肛門掻痒症
- IX 所謂Anal pathologyに随伴する肛門掻痒症
- X 肛門皮膚症Anal dermatosisを主体とする肛門掻痒症
- XI 精神性〜神経性肛門掻痒症
- XII その他
- 第10章 妊娠時の肛門疾患
- I 妊娠の肛門に与える影響
- II 妊娠による肛門疾患の増悪
- 1) 妊娠の内痔核〜所謂脱肛に与える影響
- 2) 妊娠の肛門裂創〜潰瘍に与える影響
- III 妊娠時における肛門保存療法の限界
- IV 妊娠時における肛門手術
- (著者等の経験)
- (妊娠時の肛門手術に対する一般の誤解)
- V 妊娠時における下剤投与
- 1) 妊娠時の下剤投与に対する畏怖
- 2) 妊娠時の下剤の使用に際しての要点
- 3) 下剤による流早産の危惧
- 4) 適当な下剤の合理的使用迄もが禁ぜられるならば, 妊婦の肛門疾患の治療は不可能である
- VI 出産に伴う肛門疾患の増悪
- VII 出産後の便秘
- VIII 婦人の肛門疾患は妊娠前に治しておくべきである
- 第11章 肛門手術
- I 肛門手術原則
- A. 肛門手術創の縫合閉鎖による弊害
- (イ) ブラーツ氏手術の弊害
- (i) 内痔核およびいわゆる脱肛に対する手術
- (ii) ブラーツ氏手術の欠点
- (ロ) ホワイトヘッド氏手術の欠点
- いわゆる脱肛とホワイトヘッド氏手術
- (人工的脱肛とホワイトヘッド氏手術)
- (合併症の治療)
- ホワイトヘッド氏手術は廃用すべきである
- B. 肛門手術原則
- C. 肛門手術後療法
- D. 肛門手術に際しての注意
- (イ) 不合理な手術による疾病の増悪
- (ロ) 手術例の検討
- (ハ) 手術創は術後毎日こまめに手を掛けねばならない
- (ニ) 余り早く治るのは良くない
- (ホ) 無理に早く治そうと思うな
- (ヘ) 形よく治すがよい
- (ト) とりすぎも良くないし, とり足らないのも良くない
- (チ) 各種疾患の混在する肛門
- (リ) 絹糸を残さぬよう
- (ヌ) 無意味に出血させぬよう
- (ル) 自信のない手術は回避すべきである
- (オ) 不適当な治療による合併症〜後遺症に対する認識
- II 肛門手術体位
- A. 肛門手術体位の分類
- B. 適当な肛門手術体位の満足すべき条件
- C. 肛門手術に適当な体位
- III 肛門麻酔法
- A. 肛門囲繞麻酔
- 1) 非適応症
- 2) 適応症
- 3) その利点
- 4) 技術上の問題
- B. 腰仙椎麻酔
- C. 全身麻酔
- IV 肛門開放性手術の術前術後およびそのAfter Care
- A. 術前処置
- B. 術後処置
- 1. 手術創管理法 - 局所処置
- i) 局所処置の内容
- a) 開放手術創の清浄化
- b) 開放性手術創自体の管理
- ii) 体位
- iii) いわゆる円坐の弊害
- 2. 感染防止法
- 1) 結腸内細菌の減菌〜糞便の清浄化
- 2) 血行性に作用する抗生物質
- 3) 手術創の管理
- 3. 排便の易化
- (術後排便を易化する方法)
- a) 術後の食餌
- (術後の食餌に対する患者の態度)
- (術後の排便に対する在来の態度)
- b) 下剤の投与
- c) その他の方法
- d) 小括
- 4. 術後の疼痛およびその緩和法
- 1) 肛門手術創の疼痛の分類
- 2) 肛門手術創の位置と疼痛
- 3) 肛門括約筋と肛門手術創の疼痛
- a) 肛門括約筋の切除の有無と疼痛
- b) 肛門括約筋の攣縮と疼痛
- 4) 排便に由来する疼痛
- 5) 瘢痕性疼痛
- 6) 肛門手術創の疼痛緩和法
- a) 第1期疼痛に対して
- b) 第2期疼痛に対して
- c) 第3期疼痛に対して
- 付1) 術後の尿閉および排気管の使用
- 付2) 術後の脱出幻覚
- C. 肛門の開放手術創のAfter Care
- 1) 肛門の開放性手術創瘢痕の特異性
- a) 肛門はこすれ易い
- b) 肛門は毎日排便する所である
- c) その他
- 2) 具体的なAfter Care
- a) 瘢痕軟化剤の使用
- b) 排便の易化 - 糞便の軟化
- c) 局所処置
- d) 作業運動に関する注意
- D. まとめ
- V 術後合併症
- A. 術後の出血
- 1) 技術と出血
- 2) 出血の種類
- 3) 出血の時期
- 4) 止血法
- a) Tamponade
- b) 高位動脈結紮法
- c) 止血剤
- d) 排便の阻止
- e) 排気の易化
- f) 輸液〜輸血
- 5) 出血の持続
- 6) 術後肛門拡張術に伴う出血
- B. 術後の肛門狭窄
- 1) 正常の肛門の太さ
- 2) 肛門狭窄
- 3) 術後の肛門狭窄
- 4) 術後の肛門の太さの時間的変化
- C. 術後の失禁
- 1) Trigger Zoneの破壊
- 2) 肛門括約筋の損傷
- a) 大部分の痔瘻根治手術にてはあるていどの肛門括約筋の切除を必要とする
- b) 括約筋の切除を必要以上に畏怖していたのでは痔瘻根治手術は行ないえない
- c) 括約筋の切除を無暗に畏怖する必要はない (肛門後壁は失禁を起こしにくく, 肛門前壁は失禁を起こし易い)
- d) 深部痔瘻〜複雑痔瘻にては, あるていど失禁の残るのは当然である
- e) どのていどの失禁が治療を必要とするか
- f) 失禁に対する手術法の批判
- 3) その他
- 付1) 肛門外科領域における医原病
- 付2) 痔瘻に対するColostomyの批判
- 付3) Pasks氏手術
- 第12章 非観血療法
- I 分類
- II 腐蝕療法の弊害
- A. 腐蝕剤単純注射療法の弊害
- 1) 後出血の危険が大きい
- 2) この種の後出血の止血は容易でない
- 3) 腐蝕効果を特定部位に限局せしめることは困難である
- 4) 疾病の増悪
- 5) しばしば高度の激痛を伴う
- B. 腐蝕剤の単純注射法は最悪の非観血療法である
- C. 塗布法の弊害
- D. その他の腐蝕療法
- E. 腐蝕療法の通弊
- III 硬化療法
- 第13章 直腸鏡検査とそれに伴う危険
- I 直腸鏡検査
- 1) 直腸〜Sigma下部に対するX線検査の価値
- 2) 直腸鏡にて観察すべき範囲
- a) X線検査の困難なる範囲は普通肛門より上方25cm迄である
- b) 正常の腸管にて直腸鏡の安全に捜入しうる範囲は, 普通肛門より上方25cmであることが多い (ただし25cm迄は絶対に安全であると言う訳ではない)
- c) 全結腸の大部分 (70%) の病変が肛門より上方25cmの範囲内にある
- d) 直腸鏡が完全に捜入されれば, それ自身の長さより長い範囲の腸管を観察しうる
- 3) 直腸鏡検査体位
- a) 膝位
- b) 倒立位
- c) 直腸鏡検査に適する体位の満足すべき条件
- d) 腹臥肛門挙上位の利点
- e) 砕石位は最悪の体位である
- f) 側臥位
- g) 直腸鏡検査体位に対する在来の態度
- 4) 直腸鏡検査に際しての空気送入
- 5) 直腸S字状結腸移行部の直腸鏡所見
- 6) 移行部観察の重要性
- 7) 移行部の通過に際して
- 8) 吸引管の利用法
- 9) 直腸鏡検査に際しての注意
- 10) 種々の直腸鏡
- II 直腸鏡検査に伴う危険
- 1) 腹膜刺激症状
- 2) 直腸鏡腸穿孔
- 3) 腸穿孔の分類および症状
- a) 腹膜内穿孔
- b) 腹膜外穿孔
- c) 直腸鏡穿孔の鏡診所見
- d) 直腸鏡腸穿孔の処置
- 4) その他の危険
- a) Biopsy〜焼灼の結果起る危険
- b) 浣腸および空気送入による腸穿孔
- III 直腸鏡定期検診のすすめ
- 第14章 直腸癌と鑑別すべき疾患
- I 正常子宮および後屈子宮
- II 放射線直腸炎〜直腸潰瘍
- 1) 同義語
- 2) 病因
- 3) 発生率
- 4) 直腸鏡所見
- 5) 本症の発生に要する期間
- 6) 症状
- 7) 病理組織所見
- 8) 診断
- (頚癌の直腸壁への浸潤と本症との鑑別)
- (本症の癌性変化)
- (明白なる本症がしばしば直腸癌と診断されている)
- 9) 予防
- 10) 治療
- a) 放射線照射の中止
- b) Steroid hormone
- c) その他
- 11) 予後
- III 仙骨前〜直腸後腫瘤
- IV 壁内腫瘤
- V 外因性直腸腫瘤
- VI Douglas窩腫瘤
- VII その他
- 第15章 低残渣食と腸管消毒
- I 低残渣食
- 1) 結腸手術々前処置の要諦
- 2) 結腸内容減少化の意義
- 3) 在来の結腸内容排除法
- 4) 糞便の定義
- 5) 糞便の構成
- 6) 低残渣食
- 7) 結腸手術に際してのその実施方法
- 8) 低残渣食の実施に際しての注意
- 9) その他の方面における低残渣食の利用
- II 腸管消毒
- 1) 腸管内における細菌の分布
- 2) 結腸手術の特異性
- 3) 腸管より非〜難吸収性の抗生物質の経口的投与
- 4) Bowel steritizationのその他の応用
- 第16章 便秘と糞便栓塞
- I 便秘
- 1) 食物の消化管通過時間
- 2) 便秘と消化管通過時間
- II 糞便栓塞
- 1) 原因
- a) 正常排便感の意識的抑制
- (a) 肛門疼痛性疾患の存在
- (b) 肛門手術創の存在 - 術後の糞便栓塞
- b) 排便感の消失〜減退
- (a) Trigger Zoneの破壊
- (b) 先天的〜習慣による排便感の減退
- c) 薬物の使用
- (a) 下痢の治療に際して
- (b) 婦人科疾患の治療に際して
- (c) Barium Enemaに際して
- (d) 鎮痛〜鎮静剤の使用に際して
- d) その他
- 2) 浣腸および下剤投与と糞便栓塞
- 3) 治療
- a) 用指糞便排出
- b) 高圧浣腸
- c) 下剤投与
- d) その後の処置〜注意
- 第17章 本邦にては稀なる疾患
- I Pilonidal disease
- II 潰瘍性結腸炎
- III DiverticulosisとDiverticulitis
- 第18章 その他の疾患
- I 肛門異物
- A. 誤飲による異物
- B. 肛門より挿入せられた異物
- II 直腸痛
- A. Proctalgia fugax
- B. 尾骨痛〜Ligament痛
- C. 漠然たる直腸痛
- III 肛門神経症
- IV Melanosis coli
- V コンヂローム
- 現行健保制度と肛門疾患の治療
- 本邦の現行健保制度は肛門疾患の満足な治療の実施を阻害している
- 誤れる治療指針
- でたらめな点数表
- 本邦肛門外科の発達を阻害する因子
- I 在来の本邦一般外科成書の肛門科領域に関する記載は不合理〜誤れるまたは不満足のことが多い
- II 本邦医育機関の肛門外科に対する在来の態度は甚だ不都合である
- III 一部の不都合な肛門科の医師の存在
- IV 現行健保制度の欠陥
- V 肛門外科の独立
- あとがき
- 物名索引
- 人名索引
- 奥付
参考文献
あとがき
P.295 掲載の参考文献
-
1) 三枝俊雄, 三枝純郎:Whitehead氏手術およびその変法の難点について, 手術, Vol. 14, P. 517〜523, 昭和35年.
-
2) 三枝純郎, 蜂須賀喜多男, 木戸長一郎:直腸後壁に発生せる平滑筋肉腫の1例, 癌の臨床, Vol. 6, P. 279〜282, 昭和35年.
-
3) 三枝純郎, 三浦良也, 稲垣稲, 平野重彦, 浅井淳平, 飯島宗一:痔瘻と密接なる関連の下に発生せる肛門癌の1例, 外科, Vol. 22. P. 1344〜1347, 昭和35年.
-
4) 三枝純郎:大腸手術の前処置としての低残渣食 low residue dietの試み, 手術, Vol. 15, P. 296〜301, 昭和36年.
-
5) 三枝純郎, 三浦良也:Granular Proctitis(Simple haemorrhagic proctitis)の1例, 臨床外科, Vol. 16, P. 348〜350, 昭和36年.
-
6) 三枝純郎:ブラーツ氏手術の欠点および肛門手術原則につき, 手術. Vol. 16, P. 574〜584, 昭和36年.
-
7) 三枝純郎:直腸鏡検査, ことにその体位としての砕石位の弊害につき, 手術, Vol. 15, P. 781〜789, 昭和36年.
-
8) 三枝純郎:肛門手術体位, ことにProne Position(腹臥肛門挙上位)の重要性につき, 手術, Vol. 15, P. 1032〜1038, 昭和36年.
-
9) 三枝純郎:直腸肛門外科成書の紹介 -本邦直腸肛門外科の発展および諸賢の勉学の便を計りて-, 日本直腸肛門学会雑誌, Vol. 17, No. 4, P. 51〜56, 昭和37年.
-
10) 三枝純郎:肛門および終末直腸の解剖学術語の統一および肛門の合理的定義の採用を提唱して (I. II. III), 手術, Vol. 16, P. 549〜555(I), P. 646〜649(II), & P. 730〜733(III), 昭和37年.
-
11) 三枝純郎:肛門手術失敗の原因, 外科, Vol. 24, P. 1440〜1449, 昭和37年, 臨時増刊.
-
12) 三枝純郎:肛直膿瘍と痔瘻 -在来の誤れる概念の訂正を計りて- (I. II), 外科, Vol. 25, P. 489〜502(I), P. 699〜713(II), 昭和38年.
-
13) 三枝純郎:痔瘻根治手術の失敗の原因 -再発の原因につき-, 手術, Vol. 17, P. 395〜403, 昭和38年.
-
14) 三枝純郎:肛門診察に際しての主要なる基礎知識について, 外科治療, Vol. 9, P. 376〜391, 昭和38年.
-
15) 三枝純郎:直腸癌と鑑別すべき疾患, (その1)放射線直腸炎, (その2)Presacral Tumor 仙骨前腫瘤につき, (その3)直腸壁内腫瘤, 外因性直腸腫瘤およびいわゆるDouglas窩腫瘤につき, 外科治療, Vol. 9, P. 483〜489, Vol. 10, P. 15〜23, 昭和38年, 昭和39年.
-
16) 三枝純郎:肛門開放性手術の術前術後およびそのAfter Careについて(I. II), 手術, Vol. 18, P. 126〜133(I), P. 216〜224(II)昭和39年.
-
17) 三枝純郎:坐薬を批判して -坐薬は果して有効なりや- , 外科治療, Vol. 10, P. 222〜227, 昭和39年.
-
18) 三枝純郎:理想的な排便 -いわゆる肛門疾患の保存療法の原則について- , 外科, Vol. 26, P. 317-323, 昭和39年.
-
19) 三枝純郎:肛門掻痒症, ことにAnal Hygieneの概念について, 外科, Vol. 26, P. 399〜406, 昭和39年.
-
20) 三枝純郎:いわゆる脱肛と直腸脱, 外科治療, Vol. 10, P. 265〜277, 昭和39年.
-
21) 三枝純郎:痔瘻は結核ではない, 外科治療, Vol. 12, P. 20〜30, 昭和39年.
-
22) 三枝純郎:糞便塞栓, 外科治療, Vol. 10, P. 517〜520, 昭和39年.
-
23) 三枝俊雄, 三枝純郎:妊娠と肛門疾患, 産婦人科治療, Vol. 10, P. 24〜34, 昭和40年.
-
24) 三枝純郎:術後の脱出幻覚, 外科治療, Vol. 13, P. 376〜377, 昭和40年.