書籍名 |
新女性医学大系 37 絨毛性疾患 |
出版社 |
中山書店
|
発行日 |
2000-04-28 |
著者 |
- 武谷雄二(総編集)
- 青野敏博(編集)
- 麻生武志(編集)
- 中野仁雄(編集)
- 野澤志朗(編集)
- 半藤保(担当編集)
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ISBN |
4521542212 |
ページ数 |
371 |
版刷巻号 |
第1版第1刷 |
分野 |
|
シリーズ |
新女性医学大系
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閲覧制限 |
未契約 |
絨毛の嚢胞化で異常妊娠の一種とみなされる胞状奇胎と絨毛癌を合わせて絨毛性疾患と呼称しますが、欧米に少なくアジアに多いという疫学的背景もあって、基礎・臨床の両面において日本が世界をリードしています。本巻では、優れた研究成果を余すところなく、深く掘り下げて詳述しました。
目次
- 表紙
- 執筆者一覧
- 目次
- I 分類・定義・診断基準の歴史的変遷
- 1. 絨毛性疾患 (腫瘍) の病態観 (概念) の歴史的変遷
- a. 胞状奇胎の病態観の歴史的変遷
- b. 侵入奇胎の病態観
- 2. 外国における絨毛性疾患の分類 , 用語の歴史的変遷の概要
- a. Marchandの分類 (1895)
- b. Ewingの分類 (1910)
- c. Meyerの分類 (1927)
- d. Hertig & Mansellの分類 (1956)
- e. Novakの分類 (1958)
- f. Parkの分類 (1959)
- g. International Study Group for Trophoblastic Neoplasia (UICC) の分類 (1967)
- h. WHOの分類 (1975)
- i. WHOの分類 (1983)
- j. Berkowitz & Goldsteinの分類 (1996)
- k. DiSaia & Creasmanの分類 (1997)
- 3. わが国における絨毛性疾患の分類・用語の変遷
- a. 日本産科婦人科学会絨毛性腫瘍委員会の分類 (1963)
- b. 日本産科婦人科学会の分類 (1988 , 1995)
- 4. 絨毛性疾患の定義・診断基準
- a. 胞状奇胎
- b. 侵入奇胎
- c. 絨毛癌
- d. 存続絨毛症
- e. 胎盤部トロホブラスト腫瘍
- 5. 世界の動向における日本の役割
- a. 世界の動向における問題点
- b. 問題点の解明に寄与する日本の成績
- c. 侵入奇胎の病態論
- d. 日本が今後果たすべき役割
- II 絨毛性疾患の疫学
- 1. 日本の地域登録成績
- a. 登録地域の範囲
- b. 絨毛性疾患取扱い規約の変遷
- c. 地域登録成績
- 2. 妊娠・分娩に対する胞状奇胎の発生頻度
- 3. 年齢階級別胞状奇胎 / 出生比
- 4. 年齢階級別侵奇率
- 5. 絨毛癌の発生頻度
- 6. 絨毛癌の先行妊娠
- III 絨毛細胞の発生と細胞生物学
- A. 絨毛細胞の発生と分化
- 1. 胎盤の発生
- 2. trophoblast subpopulation
- a. 絨毛性栄養膜細胞
- b. 絨毛外発育性栄養膜細胞
- 3. 栄養膜細胞の細胞増殖
- 4. 栄養膜細胞の細胞浸潤
- B. 絨毛細胞の内分泌
- i. タンパクホルモン
- 1. ヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG)
- a. hCGの構造
- b. αサブユニット
- c. hCGβサブユニット
- d. hCG産生分泌の調節機序と生物作用
- e. hCGβcore-fragment (β-CF)
- f. hCG糖鎖の多様性について
- g. freeサブユニット
- 2. ヒト胎盤性ラクトーゲン (hPL)
- a. hPLの構造
- b. hPLの産生
- c. hPLの生物作用
- d. 絨毛性疾患との関連
- 3. ヒト胎盤性成長ホルモン (hGH-V)
- 4. ヒト絨毛性サイロトロピン (hCT)
- 5. 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン (CRH)
- ii. ステロイドホルモン
- 1. エストロゲン
- 2. プロゲステロン
- 3. 正常妊娠と絨毛性疾患におけるステロイドホルモン代謝の相違
- a. 絨毛性疾患担体におけるエストロゲンとプロゲステロン , テストステロンの動態
- b. 腫瘍性トロホブラストのステロイドホルモン生成能
- iii. 胎盤タンパク , その他
- 1. pregnancy-associated plasma proteina A (PAPP-A)
- a. 生化学的特徴と生物学的活性
- b. 妊娠時における動態
- c. 母体血中PAPP-A濃度測定の臨床的意義
- d. 非妊娠時における動態
- e. 腫瘍マーカーとしての有用性
- 2. schwangerschaft protein 1 (SPl)
- a. 生化学的特徴と生体内動態
- b. 腫瘍マーカーとしての有用性
- 3. placental tissue protein 12 (PP12)
- a. 生化学的特徴と生物学的活性
- b. 生体内動態
- c. 臨床応用
- d. 腫瘍マーカーとしての有用性
- 4. placental tissue protein 14 (PP14)
- a. 生化学的特徴と生物学的活性
- b. 生体内動態
- c. 血中PPI4濃度測定の臨床的意義
- d. 腫瘍マーカーとしての有用性
- 5. その他の胎盤タンパク
- a. placental tissue protein 5 (PP5)
- b. placental tissue protein 10 (PP10)
- c. placental tissue protein 19 (PP19)
- d. placental tissue protein 21 (PP21)
- e. placental tissue protein 26 (PP26)
- IV 絨毛性疾患の細胞遺伝学
- A. 全胞状奇胎 , 部分胞状奇胎の細胞遺伝学
- 1. 胞状奇胎の染色体分析
- a. 染色体分析法
- b. 胞状奇胎の染色体核型
- c. 胞状奇胎の発生機序
- d. 注意を要する部分奇胎
- 2. 胞状奇胎のDNA分析
- a. DNA分析法
- b. 全奇胎の分析結果
- c. 部分奇胎の分析結果
- d. FISH法を用いた分析
- e. 家族性に発生する胞状奇胎と関連遺伝子
- B. 全胞状奇胎発生におけるembryogenesisの停止機構
- 1. 全奇胎における内部細胞塊の発生
- 2. 内部細胞塊由来組織の有無およびDNA倍数性と続発症との関連
- 3. 全奇胎ゲノムの由来と家族性全奇胎
- 4. ゲノムインプリンティング
- C. 絨毛癌の先行妊娠と責任妊娠
- 1. 絨毛性疾患における遺伝学的背景
- a. 妊娠性絨毛癌
- b. 雄核 , 雌核発生の動物実験
- c. 動物実験の雄核発生と胞状奇胎の雄核発生
- d. 絨毛性疾患と遺伝子刷り込み
- 2 , 絨毛癌と責任妊娠
- a. 絨毛癌の染色体解析
- b. 絨毛癌のDNA多型性解析
- c. 絨毛癌の責任妊娠
- D. 新知見
- 1. 絨毛性疾患の遺伝子診断
- a. 全胞状奇胎と部分胞状奇胎の鑑別
- b. 絨毛癌の発生起源の遺伝子診断
- 2. 癌関連遺伝子の絨毛性腫瘍における異常
- a. 癌遺伝子と癌抑制遺伝子の異常
- b. インプリンティング遺伝子H19とIGF-IIの異常
- 3. 絨毛癌と新規絨毛癌特異的な癌抑制遺伝子の検索
- V 胞状奇胎の形態発生
- A. 胞状奇胎の形態学的発生病理
- 1. 胞状奇胎の定義
- 2. 胞状奇胎の形成に至る形態学的変化
- a. 文献的考察
- b. 予後からみた奇胎の栄養膜細胞の組織学的gradingの意義
- c. 著者らの成績
- B. 超音波所見よりみた進展過程
- 1. 胞状奇胎と超音波診断法
- 2. 3症例の超音波所見
- a. 症例1 : 全奇胎
- b. 症例2 : 部分奇胎
- c. 症例3 : 部分奇胎
- VI 絨毛性疾患の免疫学的側面
- 1. 正常絨毛組織と免疫反応
- 2. 胞状奇胎組織の遺伝学的特徴と胞状奇胎患者の免疫能
- 3. 胞状奇胎組織をめぐる免疫反応とHLA抗原
- 4. 絨毛癌をめぐる免疫反応
- VII 侵入奇胎 , 絨毛癌の病態
- 1. 先行妊娠
- 2. 先行妊娠から発症までの期間
- 3. 発症をめぐる要因
- 4. 死亡症例
- 5. 化学療法に対する反応性
- 6. 異種移植
- 7. 染色体分析
- 8. hCG糖鎖構造の変化
- VIII 診断
- A. 胞状奇胎の病理
- 1. 子宮内容物の観察方法
- 2. 全胞状奇胎 (全奇胎)
- 3. 部分胞状奇胎 (部分奇胎)
- 4. 侵入胞状奇胎 (侵入奇胎)
- 5. 嚢胞化絨毛の診断基準
- B. 絨毛性疾患の臨床診断
- 1. 全胞状奇胎 (全奇胎) , 部分胞状奇胎 (部分奇胎)
- a. 診断へのアプローチ
- b. 自覚所見
- c. 他覚所見
- d. 検査所見
- e. 画像所見
- 2. 侵入奇胎 , 絨毛癌
- a. 診断へのアプローチ
- b. 自覚所見
- c. 他覚所見
- d. 検査所見
- e. 子宮 (原発巣) の画像所見
- f. 転移巣の画像所見
- C. 侵入奇胎 , 絨毛癌の診断
- 1. 侵入奇胎 , 絨毛癌の鑑別診断の必要性
- 2. 存続絨毛症-病理診断の得られない症例
- 3. 侵入奇胎と絨毛癌の臨床像の差異
- 4. 絨毛癌診断スコア表 (絨毛癌リスクスコア表) の作成-臨床所見による鑑別診断
- 5. 絨毛癌診断スコア表の再評価-臨床的診断と病理学的診断の一致率
- 6. 侵入奇胎と絨毛癌の治療成績-病理診断と臨床診断を統括した治療成績
- D. 腫瘍マーカーとしての絨毛性ゴナドトロピン
- 1. 絨毛性ゴナドトロピン
- 2. 絨毛性ゴナドトロピンの分子型
- a. β-サブユニット (β-hCG)
- b. 遊離型α-サブユニット
- c. hCG分子のペプチド結合の異常
- d. hCG-βコア・フラグメント
- 3. 腫瘍マーカーとしての絨毛性ゴナドトロピン
- 4. 絨毛性ゴナドトロピンの測定キット
- a. 時間分解蛍光免疫測定法
- b. hCGC末端ペプチド酵素免疫測定法
- c. hCGβ-コア・フラグメント酵素免疫測定法
- 5. 絨毛性ゴナドトロピン測定による絨毛性疾患の管理
- E. 臨床進行期分類 (scoringを含めて)
- 1. 変遷
- 2. 代表的なscoringと臨床進行期分類
- a. 石塚の絨毛性腫瘍のスコア
- b. WHOのscoring system
- c. FIGOのclinical staging
- 3. 各臨床期分類 , scoringによる予後判定の比較
- IX 治療
- A. 胞状奇胎妊娠中絶法
- 1. 術前評価
- 2. 奇胎妊娠中絶法
- a. 吸引掻爬術
- b. 再掻爬術
- c. 奇胎娩出術
- d. 単純子宮全摘術
- e. 子宮切開術
- B. 胎児共存奇胎の取り扱い法
- 1. 胞状奇胎の成因
- 2. 胎児共存奇胎の診断
- 3. 頻度
- 4. 胎児奇形
- 5. 妊娠転帰
- 6. 母体合併症
- 7. 続発率
- C. 胞状奇胎の化学療法
- 1. 絨毛性疾患の分類
- 2. 化学療法の変遷
- 3. 単剤化学療法の実際
- a. MTX5日間連続筋注法
- b. MTX・ロイコボリン (R) 救援法
- c. MTX週1回筋注法
- d. ACT-D5日間連続静注法
- e. ACT-Dパルス投与法
- f. エトポシド5日間連続点滴静注法
- g. エトポシド5日間連続経口投与法
- 4. リプロダクションに及ぼす影響
- 5. 合併療法
- D. 絨毛癌の治療
- 1. 治療にあたっての基本的考え方
- 2. 進行期分類 , 臨床分類 , 予後スコア分類 , 絨毛癌診断スコア
- a. 進行期分類 (FIGO)
- b. 臨床分類 (NIH)
- c. 予後スコア分類 (WHO)
- d. 絨毛癌診断スコア (日本産科婦人科学会)
- 3. 治療の概要と注意点
- 4. 治療法各論
- a. 化学療法
- b. 手術療法
- c. 照射療法
- d. 免疫療法
- e. 難治性絨毛癌への対応
- 5. 寛解 / 治癒判定
- 6. 治療後の問題点
- E. 難治性絨毛癌に対する治療法の工夫
- 1. 難治性絨毛癌はどのような場合に生じやすいか
- a. 先行妊娠が胞状奇胎の場合
- b. 先行妊娠が胞状奇胎以外の場合
- 2. 治療方針
- 3. 化学療法について
- a. EMA / CO療法 , EMA / EP療法
- b. プラチナ製剤を用いた化学療法
- c. EA療法
- d. イホスファミドを用いた化学療法
- e. 大量化学療法
- f. パクリタキセルについて
- g. 当院における化学療法の工夫
- 4. 難治性絨毛癌症例
- a. 当院受診までの経過
- b. 当院における治療経過
- c. 本症例における問題点
- F. 絨毛癌の遺伝子治療
- 1. 遺伝子治療について-その概要
- 2. 遺伝子治療の技術と方法論
- a. 標的細胞への遺伝子導入の方法
- b. ウイルスベクター
- c. 非ウイルスベクター
- 3. 癌に対する遺伝子治療
- a. 癌細胞の脱癌化を図る療法
- b. 免疫遺伝子療法
- c. 化学療法の補助療法
- 4. 絨毛癌の遺伝子治療
- a. IL-6アンチセンスによる絨毛癌細胞の増殖抑制
- b. 絨毛細胞に対するベクターの開発
- c. cAMPによるbystander effectの増強
- d. 絨毛癌細胞における抑制遺伝子の検索
- X 治療後管理
- A. 奇胎後管理
- 1. 管理の原理
- 2. 管理の実際
- 3. 次回妊娠許可の条件
- 4. 絨毛性疾患に対する化学療法後の妊娠 , 分娩
- B. 絨毛性疾患の寛解判定基準ならびに治療打ち切りの時期
- 1. 胞状奇胎妊娠後の寛解判定基準
- 2. 絨毛癌の寛解判定基準
- 3. PSTTの寛解判定基準
- XI 特殊な絨毛性疾患
- A. PSTT (placental site trophoblastic tumor)
- 1. 概念および歴史
- 2. 臨床的事項
- a. 発生頻度
- b. 年齢
- c. 先行妊娠および潜伏期間
- d. 初発症状
- e. hCG産生能 , hPL産生能
- 3. 診断
- a. 病歴
- b. hCG測定
- c. 超音波検査
- d. 子宮内膜掻爬
- 4. 病理組織所見
- a. 肉眼所見
- b. 病理組織像
- c. DNA study
- 5. 細胞診
- 6. 鑑別診断
- 7. 治療法
- 8. 予後
- B. EPS , PSN-P (exaggerated placental site , placental site nodule and plaque)
- C. ETT (epithelioid trophoblastic tumor)
- 1. 概念
- 2. 症例
- 3. 臨床像
- 4. 病理像
- 5. 治療 , 予後
- 6. 他の疾患との鑑別
- D. 妊娠合併絨毛癌
- 1. 胎盤内絨毛癌
- 2. 胎児・乳児絨毛癌
- a. 母体および胎児絨毛癌の症例
- b. 既報告例からの考察
- E. 非妊娠性絨毛癌
- 1. 定義 , 概念
- 2. 歴史
- 3. 分類
- a. 胚細胞腫瘍を構成する非妊娠性絨毛癌
- b. 腫瘍組織の異分化により発現する非妊娠性絨毛癌
- 4. 疫学
- 5. 病理
- 6. 症状
- 7. 診断 , 鑑別診断
- 8. 治療
- 9. 経過 , 予後
- Glossary
- 索引
- 奥付
参考文献
I 分類・定義・診断基準の歴史的変遷
P.23 掲載の参考文献
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3) 竹内正七:絨毛性疾患登録委員会報告. 日本産科婦人科学会雑誌 1987;39:871-880
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4) 日本産科婦人科学会, 日本病理学会(編):絨毛性疾患取扱い規約. 1988, 金原出版, 東京
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5) 日本産科婦人科学会, 日本病理学会(編):絨毛性疾患取扱い規約, 改訂第2版. 1995, 金原出版, 東京
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7) 工藤隆一:婦人科腫瘍委員会報告(絨毛性疾患地域登録成績). 日本産科婦人科学会雑誌 1995;47:1405-1410
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