書籍名 |
香り選書(10) ロボットで探る昆虫の脳と匂いの世界 ―ファーブル昆虫記のなぞに挑む― |
出版社 |
フレグランスジャーナル社
|
発行日 |
2009-05-11 |
著者 |
|
ISBN |
9784894791565 |
ページ数 |
159 |
版刷巻号 |
第1版第1刷 |
分野 |
|
シリーズ |
|
閲覧制限 |
未契約 |
「香り選書」シリーズは…香りや匂いに関する科学的知識をわかりやすく解説し、多くの方々に伝えることを目的とした、「理解しやすい香りの本」です。昆虫が匂いを識別する脳の仕組みをスーパーコンピュータで再現したマイクロロボットで解明する。本書は、微小サイズの世界で活躍する昆虫の特徴からはじまり、昆虫の感覚や脳そして行動へと話が進みます。昆虫の脳のしくみにより動くロボット、昆虫の脳の仕組みを世界最速のスーパーコンピュータ上に再現する研究が展開される本書により、昆虫の魅力がこれまでとは違う新たな視点から読者を魅了するでしょう。
目次
- 表紙
- 昆虫の脳機能の分析から創る匂い源探索ロボット
- 昆虫の脳の分析から行動が起こるしくみを読み解く
- 目次
- まえがき
- 一章 昆虫の世界
- 一、 変化する環境の中で巧みに生きる昆虫
- 二、 昆虫パワー
- 三、 昆虫の世界はスケール効果の世界
- 二章 昆虫の脳
- 一、 生物に共通なニューロンと脳
- 二、 昆虫の神経系は頭部、胸部、腹部に機能が分散した分散脳
- 三、 なぜ昆虫の神経系は分散しているのか
- 四、 昆虫の脳は桁違いに少ない数のニューロンから作られている
- 五、 昆虫の脳をつくるニューロンのかたち
- 三章 昆虫の脳のはたらき
- 一、 昆虫の脳の情報処理は神経叢で行われる
- 二、 神経叢を作るニューロンの種類 : 入力神経、局所介在神経、出力神経
- 三、 昆虫の脳の階層構造
- 四、 昆虫の脳の神経回路
- 五、 昆虫のニューロンと神経回路のしらべかた
- 六、 ニューロンデータベース
- 四章 昆虫の感覚
- 一、 昆虫のセンサはスペシャリスト
- 二、 昆虫はスケール効果をたくみに活用してセンサを体中に配列させている
- 五章 昆虫の匂いによっておこる行動
- 一、 匂い源を探索する行動
- 二、 匂いは空中でどのように分布しているのか
- 三、 匂い源を探索するための戦略
- 四、 匂い源を探索する行動は反射とプログラム行動からなる
- 五、 匂い源を探索する行動戦略は状況に応じて
- 六、 体内時計によって匂いの感度は変化する
- 七、 フェロモンの経験で匂いの感度は変化する
- 八、 カイコガの行動から推定される昆虫の適応行動のしくみ
- 六章 昆虫の匂いセンサ
- 一、 昆虫の嗅覚受容器
- 二、 フェロモンと毛状感覚子
- 三、 昆虫の一般臭の匂い受容体の遺伝子の発見
- 四、 性フェロモン受容体の遺伝子は?
- 五、 なぜフェロモン受容体は高感度なのか
- 六、 ボンビカールの受容体遺伝子
- 七、 昆虫の性フェロモンの受容体遺伝子は特殊な進化で獲得された
- 八、 光刺激でカイコガの嗅覚行動を引き起こす
- 七章 昆虫が匂いを識別する仕組み
- 一、 匂い識別は触角葉で行われる
- 二、 フェロモン情報の触角葉内での表現
- 三、 フェロモン情報の上位中枢への経路
- 四、 前大脳側部のフェロモン情報の投射領域を発見!
- 五、 一般臭の情報表現はアクロスファイバーパターン
- 六、 匂いの空間表現
- 七、 匂いの時間表現
- 八章 昆虫が匂い源を探索するための脳の仕組み
- 一、 匂い源探索の行動を生み出す神経回路
- 二、 昆虫の脳にはコンピュータとおなじようなメモリ回路がある
- 三、 フリップフロップ応答の役割
- 四、 匂い源探索行動は二つの信号でおこる
- 五、 フリップフロップ応答を作る神経回路
- 六、 フリップフロップ応答を作る神経回路のモデル
- 七、 神経回路のより厳密なモデルをめざす
- 九章 昆虫とロボット
- 一、 なぜロボットか
- 二、 匂い源探索の行動指令をつくる神経回路でロボットを動かす
- 三、 生物的な行動は時々刻々と変化する神経回路から生まれる
- 四、 昆虫操縦型ロボットでカイコガの適応能力を評価する
- 五、 昆虫の適応能力の仕組みを理解するための新しい方法
- おわりに
- 参考図書
- 謝辞
- 「香り選書」シリーズについて
- 奥付
参考文献
おわりに
P.139 掲載の参考文献
-
冨永佳也編著 「昆虫の脳を探る」 共立出版 1995
-
神崎亮平 「自然の中の人間シリーズ, 昆虫と人間編 昆虫ロボットの夢」 農文協 1998
-
外池光男・澁谷達明編著 「アロマサイエンスシリーズ21 (2)においと脳・行動」 フレグランスジャーナル社 2003
-
山口恒夫・冨永佳也・桑沢清明編著 「もうひとつの脳-微小脳の研究入門」 培風館 2005
-
川崎建次郎・木内 信・野田博明編著 「昆虫テクノロジー研究とその産業利用」 シーエムシー出版 2005
-
水波 誠 「昆虫-驚異の微小脳」 中央新書 2006
-
澁谷達明・市川真澄編著 「匂いと香りの科学 」朝倉書店 2007
-
岡良隆・蟻川謙太郎編著 「シリーズ21世紀の動物科学 第八巻 行動とコミュニケーション」 培風館 2007
-
山口恒夫監修 「昆虫はスーパー脳」 技術評論社 2008
-
合原一幸・神崎亮平編著 「理工学系からの脳科学入門」 東京大学出版 2008
-
下澤楯夫・針山孝彦監修 「昆虫ミメティクス〜昆虫の設計に学ぶ〜」 NTS 2008