書籍名 |
MRSA・肝炎ウイルス必携 |
出版社 |
日本プランニングセンター
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発行日 |
1992-09-03 |
著者 |
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ISBN |
4931197280 |
ページ数 |
265 |
版刷巻号 |
第1版第1刷 |
分野 |
|
閲覧制限 |
未契約 |
「B型肝炎の解説決定版」が日本プランニングセンターから出版されたのは昭和62年であった。今回、前回出版後5年を経て全面的に改訂し、新しい分野を加えて出版することになった。この本は感染症に対する具体的ガイドラインとして一層充実したと思われる。(序文より)
目次
- 表紙
- 発刊にあたって
- 目次
- 第I部 MRSA篇
- はじめに
- 1. MRSAについての基本的事項
- a. 黄色ブドウ球菌の特徴
- 1) 健康保菌者の存在
- 2) 黄色ブドウ球菌の病原性
- 3) 黄色ブドウ球菌の保菌者と感染との関係
- 4) 黄色ブドウ球菌の伝播性
- b. MRSAとは
- c. MRSA出現の歴史的背景
- d. MRSAの病原性
- e. MRSAが耐性を示す薬剤
- f. MRSAの薬剤耐性獲得のしくみ
- 1) メチシリン耐性獲得のしくみ
- 2) その他の薬剤に対する耐性獲得のしくみ
- g. メチシリン耐性の程度について
- h. MRSAとβラクタマーゼ大量産生によるメチシリン軽度耐性菌との区別
- i. MRSAの検出方法
- j. MRSAに抗菌力をもつ治療薬
- 2. MRSAの疫学
- a. MRSAの分離状況
- 1) 本邦の病院におけるMRSAの分離状況
- 2) 米国の教育病院でのMRSAの分離状況との比較
- b. 本邦の病院にMRSAが多い背景
- 1) 本邦では米国よりも抗生物質の使用頻度が高く、特に第3世代セファロスポリン系抗生物質の使用頻度が高い
- 2) 本邦では院内感染防止対策を実行するための体制が米国に比して十分には整っていない
- 3) 患者の平均入院期間は本邦の方が米国に比してより長い
- c. MRSA感染の起こる危険因子
- d. 院内のMRSAの感染源
- 1) MRSAの感染または定着のある患者
- 2) MRSA感染のある医療従事者
- 3) MRSAの無症候性鼻腔保菌者の医療従事者
- 4) MRSAで汚染された環境器具
- e. 院内でのMRSAの伝播の起こり方
- f. 医療従事者の鼻腔でのMRSAの検出状況
- g. MRSAの定着と感染
- h. MRSAの定着のある人がMRSA感染を合併する頻度
- 3. MRSA感染症の治療
- a. 主要なMRSA感染症と感染の危険因子
- b. MRSA感染症の治療
- 1) バンコマイシン
- 2) ST合剤
- 3) リファンピシン
- 4) アルベカシンなど
- 5) 新キノロン系抗菌薬
- 6) ミノサイクリン
- 7) その他
- 4. MRSAの院内感染対策
- a. 院内感染対策のために基本的に大切なこと
- b. 感染症診療のあり方について
- 1) 米国の主要教育病院での感染症診療システム
- 2) 本邦における感染症診療の実状
- 3) より優れた感染症診療を行うために
- c. 院内感染対策のあり方について
- 1) 院内感染とは
- 2) 院内感染の種類
- 3) 医学的処置に関連して起こる院内感染
- 4) 院内感染の起因菌
- 5) 本邦における院内感染対策の現状
- 6) 米国における院内感染対策のためのシステム
- 7) より優れた院内感染対策のために
- d. MRSAに対する院内感染対策
- 1) MRSAのサーべーランス
- 2) MRSAが検出された患者に対する対応策
- (1) 部屋
- (2) 手洗いまたは手の消毒
- (3) 手袋の使用
- (4) ガウンの使用
- (5) マスクの使用
- (6) リネンや感染性廃棄物の処理
- (7) 患者に使用する器具の処理
- (8) 室内環境の消毒
- (9) MRSAの滅菌法と消毒剤
- (10) MRSA保菌患者の院内での行動について
- (11) MRSAの感染者, 保菌患者をケアする担当ナース
- (12) MRSA保菌患者に対する抗生物質投与について
- (13) MRSAに対する感染防止対策を解除する条件
- 3) MRSAの無症候性保菌者(キャリアー)に対する治療
- 4) MRSA保菌者の入院について
- 5) MRSA保菌者の退院について
- 6) 患者の家族への説明について
- 7) MRSA保菌者を訪問看護する際に留意すべきこと
- 8) 米国ウイスコンシン大学病院におけるMRSA感染の院内流行と院内感染対策の実例
- 9) おわりに
- 参考文献
- 第II部 肝炎ウイルス篇
- 1. ウイルス肝炎のポイント-最近の知見を含めて-
- a. わが国の肝臓病
- b. ウイルス肝炎A, B, C, D, E, F
- c. ウイルス肝炎の各型と頻度
- 2. B型肝炎ウイルスのポイント
- a. B型肝炎ウイルスとは
- b. ウイルスが入れば肝炎になるのか
- c. B型肝炎ウイルスマーカーの正しい読み方
- 1) 測定法
- 2) 読み方の要約
- 3) HBs抗原陽性はウィルスに感染していることを示す
- 4) HBs抗体陽性は二度と同じB型肝炎にかからない
- 5) HBs抗体陽性は以前, 肝炎になったので危険であるというまちがい
- 6) HBs抗体が陽性だからB型肝炎であるというまちがい
- 7) HBc抗原は血中では測定できず日常検査には用いない
- 8) 高抗体価のHBc抗体は現在感染していることを示す
- 9) 低抗体価のHBc抗体は既往の感染を示す
- 10) IgM型HBc抗体陽性は初感染を示す
- 11) HBe抗原が陽性なら感染性が高い
- 12) HBe抗体が陽性なら感染性は低い
- 13) HBe抗体陽性でも感染性の強い場合がある
- 14) HBe抗原, 抗体はあくまでHBs抗原が陽性の下での問題である
- 15) DNAポリメラーゼ
- 16) HBV DNA
- 3. HBウイルスキャリアー
- a. HBウイルスキャリアーとは
- b. HBウィルス集積家系
- c. 世界のHBウィルスキャリアー
- 4. HBウイルスの亜型
- a. 日本における分布
- b. B型ウイルスの二重感染
- 5. B型肝炎ウイルスの感染経路とその予防対策
- a. 垂直感染 : 母子感染
- 1) 母子感染の実際
- 2) 母子感染の予防
- 3) 母子感染の予防, これからの方法
- 4) 誤解による不幸な実例
- b. 水平感染
- 1) 水平感染には, どのようなルートがあるか
- 2) 注射器による感染
- 3) メスなどの刃
- 4) 病理解剖での注意
- 5) 血を浴びる
- 6) 乾燥し, こびりついた血は危険か
- 7) 注射後アルコール綿で抑えるのは危険か
- 8) 汚染器具の洗浄の危険
- 9) 事故を起こす人はくり返す
- 10) 薬物常用の静注
- 11) 予防接種
- 12) 咬傷
- 13) 歯ブラシ
- 14) いわゆる鍼(ハリ)
- 15) 輸血
- 16) 性交渉
- 17) 夫婦間感染
- 18) 原因不明の感染の例
- 6. HBウイルスキャリアーは無用な不安を抱くな ―その指導と対策―
- 1) 他人への感染をどう防ぐか
- 2) 肝炎になる人とならない人
- 3) 肝障害を起こしたらどうするか
- 4) キャリアークリニックでは何を検査し,どう指導するか
- 7. 病院内の感染予防対策
- 1) 消毒法
- 2) 患者への対策
- 3) ガラス, リネン類の滅菌, 消毒
- 4) 手術器械類の滅菌, 消毒
- 5) 無影燈, 手術台, 床, 壁など消毒
- 6) 病棟, 外来における消毒
- 7) 透析機器はディスポーザブルに
- 8) 内視鏡の消毒
- 9) なるべくディスポに
- 8. 病院内職員に対する感染予防対策
- 1) B型肝炎医療機関内感染防予防体制
- 2) 医療機関内勤務職員への対策
- 3) B型肝炎の予防について
- 4) HBキャリアーは医療に従事できるか
- 9. 家庭内での感染予防
- 10. 一般職場での感染予防
- 11. C型肝炎ウイルスのポイント
- 1) HCV抗体はウイルスの存在を示す
- 2) C型肝炎ウイルスとは
- 12. C型肝炎ウイルスマーカーの読み方
- 1) C100-3抗体
- 2) CP-9, CP-10抗体
- 3) 第2世代HCV抗体
- 4) PCRによるHCV RNAの測定
- 13. C型肝炎ウイルス抗体の保有者
- 1) 献血者
- 2) 年齢別分布
- 3) 急性肝炎
- 4) 慢性肝炎
- 5) 肝硬変
- 6) 肝癌
- 7) アルコール性肝障害
- 14. C型肝炎ウイルスの感染経路とその予防対策
- 1) 輸血
- 2) 血液製剤
- 3) イレズミ, 覚醒剤
- 4) 性的接触
- 5) 母子感染
- 6) 蚊などの昆虫
- 7) 民間療法, ハリ
- 8) 注射針 ―病院内感染とその予防―
- 9) 家庭内での感染予防
- 10) 一般職場での感染予防
- 11) HCV抗体陽性であることを告知するか
- 12) 採用健診でHCV抗体を測定するのか, それを採用の条件とするのか
- 13) 医療従事者は一般職に比べHCV抗体陽性率は高いか
- 14) 内視鏡で感染するか
- 15) HCV抗体陽性の患者はどう扱うか
- 16) 免疫グロブリンは予防に役立つか
- 15. B型急性肝炎の要点と患者の生活
- 1) 症候の要点
- 2) 検査所見の要点
- 3) 診断の要点
- 4) 成人の急性B型肝炎は, 慢性肝炎になるのか
- 5) 初感染か, キャリアーからの発症か
- 6) 治療
- 7) 予後
- 8) 患者の生活
- 16. C型急性肝炎の要点と患者の生活
- 1) 症候の要点
- 2) 検査所見の要点
- 3) 診断の要点
- 4) 治療
- 5) 患者の生活
- 17. 劇症肝炎, 亜急性肝炎の要点
- 1) 疾患の要点
- 2) 症候の要点
- 3) 検査所見の要点
- 4) 治療
- 5) 予後
- 18. B型慢性肝炎の要点と患者の生活
- 1) 疾患の要点
- 2) 症候の要点
- 3) 検査所見の要点
- 4) 治療
- 5) 予後
- 6) 患者の生活
- 19. C型慢性肝炎の要点と患者の生活
- 1) 疾患の要点
- 2) 症候の要点
- 3) 検査所見の要点
- 4) 治療
- 5) 予後と患者の生活
- 20. 肝硬変, 肝癌の要点と患者の生活
- 1) 疾患の要点
- 2) 症候の要点
- 3) 検査所見の要点
- 4) 治療
- 5) 予後
- 6) 精神面への対応
- 21. D型肝炎ウイルスのポイント
- 1) D型肝炎ウイルスとは
- 2) 世界のD型肝炎
- 3) D型肝炎ウイルスの感染経路とその予防対策
- 4) D型肝炎ウイルスの要点と患者の生活
- 22. E型肝炎ウイルスのポイント
- 1) E型肝炎ウイルスとは
- 2) 世界のE型肝炎
- 3) E型肝炎ウイルスの感染経路とその予防対策
- 4) E型肝炎の要点と患者の生活
- 23. F型肝炎ウイルスは存在するか
- 24. 医療廃棄物管理ガイドライン
- 奥付
参考文献
第I部 MRSA篇
P.104 掲載の参考文献
-
1) Waldvogel F.A.:Staphylococcus aureus. Principles and Practice and of Infectious Diseases (Mandell G. L. et al) Churchill Livingstone:1489-1510, 1990.
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5) 菅野治重:細菌調査におけるMRSAの判定基準. 最新医学44:2510-2514, 1989.
-
7) Rahal J J.:Treatment of Methicillin Resistant Staphylococcal Infections. Antimicrobial Agents Annual 1:489-514, 1986.
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8) 後藤 元ら:本邦における多剤耐性黄色ブドウ球菌の現況. Chemotherapy 37:1334-1341, 1989.
-
9) 小林寛伊:MRSA院内感染対策. 第93回日本医学会シンポジウム記録集. (日本医学会) 57-63, 1992.
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10) 伊藤昌男:日米欧における抗菌薬の使用と開発状況. 最新医学44:2458-2465, 1989.
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13) Valls V. et al.:Eflicacy of a Maintained Surveillance Program for Control of Multiple Antibiotic Resistant Staphylococcus aureus. Abstracts No 29 0f the 31st Intersci. Conf. Antimicrob. Agents Chemother. 1991.
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15) Cookson B. et al.:Staff Carriage of Epidemic Methicillin Resistant Staphylococcus aureus. J. Clin. Microbiol. 27:1471-1476, 1989.
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20) Craven D. E. et al.:Vancomycin Treatment of Bacteremia Caused by Oxacillin Resistant Staphylococcus aureus:Comparison with βLactam Antibiotic Treatment of Bacteremia caused by Oxacillin Sensitive Staphylococcus aureus. J. Inf. Dis. 147:137-143, 1983.
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21) 島川 馨, 砂川慶介ら:塩酸バンコマイシンの臨床成績. 第38日本化学療法学会東日本支部総会, 1991.
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22) Kucers A. & Bennett N. Mck.:Vallcomycin, The Use of Antibiotics, Lippincott.:1045-1072, 1987.
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24) 南方 保ら:血液透析患者におけるVancomycin の血中動態と各種透析膜によるVancomycin の除去の検討:第 38 回日本化学療法学会東日本支部総会, 1991.
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28) 後藤美江子, 古川恵一ら:臨床分離株, S.aureusに対するST合剤の薬剤感受性. 第38回日本化学療法学会東日本支部総会, 1991.
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29) Markowitz N. et al.:Comparative efficacy and toxicity of Trimethoprim-Sulfamethoxazole versus Vancomycin in the therapy of serious Staphylococcus aureus infection. Infersci. Conf. Antimicrob. Agents Chemother. Abstracts No 903, 1985.
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31) 古川恵一ら:ST合剤が有効であったMRSA感染症の11症例, 第40回日本化学療法学総会, 1992.
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33) 古川恵一:米国臨床研修体験;理路整然とした感染症のチーム診療. 週刊医学界新聞1838号:3-4, 1989.
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34) Bennett J. V.:Hospital Infection, Little, Brown, 1986.
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41) Mupirocin-a new topical antibiotic. Med. Lett. Drugs Ther. May 20;30 (766):55 56, 1988.
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47) Maki D. G.:Strategies for Prevention of MRSA Infections. Update in Infectious Deseases, University of Wisconsinl. 1991. (Personal communications with Dr. Maki)