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書籍詳細

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書籍名 名医に学ぶ 腰痛診療のコツ
出版社 永井書店
発行日 2006-10-05
著者
  • 菊地臣一(著)
ISBN 4815917671
ページ数 165
版刷巻号 第1版
分野
閲覧制限 未契約

腰痛診療とりわけ「非特異的腰痛」の診療において大切なことは,「背後に隠れた重篤な疾患,病態,外傷,神経障害を見逃さない」こと,「その診療によって患者さんに安心感を与える」こと,この二点である.  この目的達成のための著者の20年以上におよぶ腰痛診療のknow-howを余すところなく披露し,「腰痛をどう知るか」,すなわちcommon symptomとしての腰痛症にどう向き合うかについて,腰痛をとりまく社会環境を含めて深く究めた成果が本書である.

目次

  • 表紙
  • CONTENTS
  • CHAPTER I 腰痛診療の前に知っておきたいこと
    • [1] 今、腰痛をめぐる時代環境が激変
      • 1. 社会環境
      • 2. 腰痛の捉え方に劇的な転換が起きている
      • 3. 治療を評価する物差しが変わってきている
      • 4. EBMとNBMの登場―今こそ医師の腕の見せどころ
    • [2] 腰痛診療に必要な基礎知識
      • 1. 解剖と生理
      • 2. 腰痛は症状であって疾患ではない
      • 3. 腰痛の自然経過は病態により異なる
      • 4. 腰痛に対する単純X線写真の診断価値は高くない
      • 5. 腰痛の治療にはcureとともにcareの概念も必要である
  • CHAPTER II 腰痛診察のポイント
    P.24閲覧
    • [1] 腰痛の原因は腰にだけあるのではない。原因がわかって初めて的確な治療が可能になる
    • [2] 患者さんの受診の目的を把握せよ!
    • [3] 医師は、なぜ診察するのか、その目的を意識せよ
    • [4] 腰痛診断は問診がすべてである。問診は患者さんの受診目的と病態を明らかにしてくれる。そして患者さんとの信頼関係を確立させてくれる手技でもある
    • [5] 患者さんの症状や病態は、時間の経過とともに変わる
    • [6] 円滑な診療と正しい診断のための前提条件は、患者さんと医師との信頼関係があること
      • 1. 患者さんへの共感の提示
      • 2. 患者さんの関心事への問いかけ
      • 3. 患者さんの安心感の獲得
      • 4. 患者さんの意欲を引き出す
      • 5. 希望の灯を消さない
      • 6. 医学的には正しくても、医療としては間違っている場合がある
      • 7. 逃げ道を塞がない
      • 8. 外来での「経過観察」は何もしないということではない
    • [7] 大切なのは、前向きな説明!
  • CHAPTER III 診察の手順
    P.38閲覧
    • [1] 心理的問題をどう評価するか―BS-POPの利用
    • [2] 問診による病歴作成
      • 1. 必要な問診事項―不正確な疼痛分析は誤診のもと
      • 2. 既往歴や他科受診の把握は、痛みの原因探索に重要な情報になる
    • [3] 理学所見の評価―みて、触ること
      • 1. 視診、触診
      • 2. 脊柱所見
      • 3. 神経学的所見
      • 4. 鑑別すべき疾患や病態とその手技
    • [4] 診察の流れ
    • [5] 負荷試験の重要性―安静時の診察だけでは不十分なときがある
    • [6] EBMからみた診断の精度
      • 1. 病歴作成に必要な項目
      • 2. 理学所見の評価に必要な項目
      • 3. 病歴・所見の診断精度
  • CHAPTER IV 画像診断
    P.90閲覧
    • [1] 退行性疾患における画像検査の位置づけ
    • [2] 単純X線写真の価値は限定的
      • 1. 診断学的意義
      • 2. 読影のポイント
      • 3. 不安定腰椎の診療上の意義
      • 4. 患者さんへの説明の仕方
    • [3] MRIは読み過ぎに注意
    • [4] 神経根造影・ブロックは診断と治療に有用
      • 1. 適応について
      • 2. 実施法
    • [5] 椎間板造影の適応は限定的
    • [6] 読影の誤診を避けるためのポイント
  • CHAPTER V 臨床検査
    P.108閲覧
    • [1] 臨床検査の役割
    • [2] 外来初診時における必須の臨床検査
      • 1. 赤沈
      • 2. CRP
      • 3. 血清カルシウム(Ca)とリン(P)
      • 4. アルカリホスファターゼ(ALP)
      • 5. 血清蛋白とその分画
    • [3] EBMからみた臨床検査の価値
  • CHAPTER VI 特殊な腰痛
    P.113閲覧
    • [1] 女性の腰痛―多彩な原因
      • 1. 腰痛をきたす代表的な産婦人科疾患
      • 2. 骨盤輪不安定症による腰痛
    • [2] 高齢者の腰痛―加齢変化と臓器相関への配慮が必要
      • 1. 高齢者に対する診療の特徴
      • 2. 高齢者の画像診断―過剰診療や誤診の回避
      • 3. 臓器相関という視点からの評価―相互影響の可能性
      • 4. 高齢者の腰痛の治療―careの視点が重要
    • [3] 小児の腰痛―稀ではない
      • 1. 有病率について
      • 2. 腰痛のリスクファクター
      • 3. 自然経過
      • 4. 原因疾患
    • [4] 変性側彎症―今、最も治療の難しい腰痛
    • [5] 固定術後の狭窄に伴う神経根障害―十分な病態把握が必須
    • [6] 多椎間・多根障害―高齢者に多い
    • [7] 嚢腫性病変による神経根障害―病状に関係あるかどうかの吟味が必要
    • [8] 作業関連腰痛―人間工学的な概念だけでは対応が難しい
  • CHAPTER VII 治療
    P.129閲覧
    • [1] ポイントはどんな治療をするかではなく、誰を治療するかである
      • 1. ポイント1: 主体的な医療の実施
      • 2. ポイント2: 情報提供と患者教育
    • [2] 治療に求められているのはEBMとNBMの統合
    • [3] 高齢者の治療にあたっての留意点は、患者さんのもっている、あるいは治療に伴う合併症への留意
      • 1. ポイント1: 抗炎症薬の服用に伴う消化器病変
      • 2. ポイント2: careの視点の導入
      • 3. ポイント3: 症状を治すのであって、疾患を治すのではない
      • 4. ポイント4: 合併症への注意
    • [4] 症状別にみた治療の基本
      • 1. 急性腰痛―なるべく早く復帰を
      • 2. 慢性腰痛―careの視点で
      • 3. 神経根性疼痛―保存療法が第一選択
      • 4. 馬尾症状―手術を視野に
    • [5] 手術
      • 1. 適応について
      • 2. 術前の説明について
  • CHAPTER VIII 予防
    P.149閲覧
  • 後記
    P.151閲覧
  • 索引
  • 奥付